Der Wachhund der Rose act2
「・・・メイメイ?どうしたの?」
水銀燈は、自分の人工精霊が何かを訴えているのに気が付いた。
「・・・!人工精霊!」
メイメイの隣に別の人工精霊が居るのを確認すると一気に警戒心をむき出しにする。
「・・・誰の人工精霊・・・?この私になんの用かしらぁ?」
警戒心をむき出しにし、水銀燈は人工精霊に向かって言う。
「・・・何よ。ついて来いって言うの・・・。用があるならそっちから来なさいよねぇ。」
そんな水銀燈を無視して、人工精霊は鏡の中に消える。水銀燈の人工精霊、メイメイもそれに従い、一緒に鏡の中に消えた。
「なんなのよ!」
気に食わないといった様子で、しぶしぶ水銀燈も鏡の中・・・nのフィールドへと入っていった。
「お呼びだてして申し訳ございません。お義姉様。」
「な!!」
nのフィールドに入ったとたん、そこは見事な薔薇園だった。そしてその中心にはお茶会のテーブル。
白い服に金髪、赤と蒼のオッド・アイの人形<ドール>。
「初めまして。お義姉様。薔薇審判<ローゼン・シート>・と申します。」
「・・・薔薇審判<ローゼン・シート>・・・?」
は立ち上がり、スカートの裾を持ってお辞儀をする。
水銀燈はまだ警戒を解いていない。
「そんなに警戒しないで下さい。私は<アリス・ゲーム>には参加しません。というか、参加できないのです。」
「参加・・・できない・・・?」
「はい。私は・・・ローザ・ミスティカを持っていません。」
「な・・・!」
「とりあえず、おかけ下さい。お義姉様。」
の告白に水銀燈は驚きを隠さない。
「私は・・・直接マスターから生気<エナジー>を分け与えられ、それを糧に動いております。」
だから<アリス・ゲーム>には参加しないのだと。
「それに、私はお義姉様方を創られたお父様・・・ローゼン様に創られた人形ではありません。私を作ったのはローゼン様の義理の娘・・・私と同じ名前の様です。」
「お父様に・・・義娘・・・!」
「そして私は様より、薔薇審判<ローゼン・シート>という役目を授かりました。<アリス・ゲーム>を見守り、<アリス・ゲーム>が公平に行われるように審判をするという役割を。」
淡々と事実を並べていくに水銀燈は言葉が出ない。
「もうすぐ・・・<アリス・ゲーム>が始まります。そのとき、また・・・お会いすることとなりますわ。」
はそう言うと杓杖を鳴らす。するとnのフィールドが歪み始め・・・
「な!」
『レナ。お義姉様をお送りしてください。』
の声が遠くから聞こえる。
『それではお義姉様。<アリス・ゲーム>で、またお会いしましょう。』
「待ちなさい!」
「なんだったの!」
次の瞬間には水銀燈は鏡の前に立っていた。
「薔薇審判<ローゼン・シート>・・・。ふん。あんなこが居なくても・・・<アリス・ゲーム>の勝者はこの私・・・。私がお父様のために<アリス>になるの・・・!」
水銀燈は一人、鏡の前で呟いた。