Der Wachhund der Rose act20

nのフィールドから戻ってきた真紅・翠星石・雛苺・・ジュンはボロボロだった。
「ほら出来たぞ性悪人形。」
「・・・・・・ありがとです・・・」
「大変だったみたいね、。ご苦労様。」
「いえ。マスター。」
ジュンはそれぞれの破れた服を黙々と直している。
「・・・真紅、大丈夫?」
「あら、大丈夫に決まってるのだわ。このくらいなんでもないもの。右手が無くたって左手があるもの。すぐ慣れるわ。そうでしょ?」
「そ・・・そう・・・?」
「そうよ。平気なのだわ。」
腕を失くした真紅に心配そうに声をかければ、気丈な答が返ってくる。
「釦だってこうやって・・・」
左手だけで釦をはめようとするが、なかなかうまくいかない。
た・・・
「真紅義姉様・・・!」
「もう寝る。時間だわ。」
が心配そうに声をかけても無表情に部屋に戻ってしまう。

暗い。電気を消したジュンの部屋で真紅は蹲っていた。
「真紅・・・?まだ8時半よ。」
無言。
「破れたところ、ジュンが直してくれましたよ。取れてしまった腕のところはありませんけど・・・。」
「いらない。」
「え」
「腕がないのにドレスなんて不恰好だもの。もういらない。私は不恰好だわ。不完全だわ。お父様が下さった大切な一部を失くしてしまったジャンク<がらくた>だわ。」
ぼろぼろと涙を流しながら自分を否定する言葉を呟き続ける真紅にもかける言葉をなくす。
「真紅義姉様・・・。」
「私は、完全でなくてはならないのよ。・・・私は・・・人形<ドール>だから。ジャンク<がらくた>の人形なんて・・・誰もいらないの・・・」
「真紅!」
パタン
最後にそう呟くと、真紅は鞄に篭ってしまう。
「・・・見守るだけって・・・辛いわね・・・。」
「・・・はい。マスター。」
見ているだけで何もできないもどかしさ。
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