Der Wachhund der Rose act22
「わぁー!」
その休みの日の午後。テーブルに並べられたお菓子やケーキの数々に雛苺も、真紅も驚く。
「今日のおやつすごいのーのりー、ーv」
「うふふーお休みだからはりきっちゃった。」
「私も頑張りました。」
ふふふ、と楽しそうには笑う。
「翠星石ともスコーンを焼くのを手伝ったんですよ。」
「はいなのですう。」
「はい。」
がよくがんばりました、と笑顔を向ければ嬉しそうに返事をする翠星石と。その向こうでは雛苺が綺麗にデコレーションされたケーキを見てはしゃいでいる。
「せっかくだからアフタヌーンティー風にしてみたの。」
「あふた?」
分かっていない雛苺には苦笑しながらアフタヌーンティーについて説明する。
「休日のお茶会の事をそう呼ぶの。いつものような午後のおやつはミディッティーブレイクと言うのよ。英国では一日に十回はティータイムをするの。」
ほえーと感心したようにの説明を聞いていた雛苺は翠星石に騙されて三回まわってワンと言っていた。
「あら・・・ジュンはいないの?」
「ジュンでしたらお部屋で通販真っ最中です。」
「・・・・・・そう・・・あ。」
そう言って真紅は少し寂しそうな顔をする、とカップが傾き、紅茶がこぼれそうになる。
「大丈夫ですか?お義姉様。お菓子、お取しましょうか?」
「・・・ありがとう、。」
ちょこんと真紅の隣に座り、は真紅をいたわるように声をかける。そしてそんな真紅の中身がない、だらりと垂れ下がったドレスの片腕を一瞥し、翠星石はそっと、その場を離れた。
戻ってきた翠星石と、ジュンが発した疑問に、のりはあっさりと答えた。
「知ってるわよう。結菱さんでしょ?ほら、あの高台にあるあの大きな・・・薔薇屋敷よう。」
「薔薇屋敷?」
のりに言われて過去の話を出されたジュンはからかわれて逆切れした(笑)。
「元華族とかで有名なお宅だって聞いたけど・・・そう言えば今でも誰か住んでるのかしら。」
のりに屋敷の特徴を聞いて確信する。あの、nのフィールドの中で見た記憶の場所だと。
するといきなりのりは眠ってしまう。その騒ぎを聞いて真紅たちはティータイムを中断して集まってくる。
「一体何の騒ぎ・・・?」
「あっ!」
視線の先では眠ってしまったのりを支えるジュンの姿。そして、
「!」
一番最初に気付いたのはやはり翠星石で。
「扉が・・・!!」
「えっ!」
空間が歪む。そして。
「・・・やぁ。ドールズ。」
現れたのはローゼンメイデン第四ドール、蒼星石。