Der Wachhund der Rose act7
とを抱いたは有栖川大学病院の前に立っていた。
「えーっと・・・心臓病の病棟は・・・。」
エレベーターに乗り込み、目的の病室を目指す。
コンコン
「・・・誰?」
「初めまして。薔薇乙女<ローゼン・メイデン>第一ドール、水銀燈のマスター。」
ニッコリと柿崎めぐに微笑んだ。
「・・・あなた・・・誰よ。」
「・・・・・・。」
「?」
「私はこのこ、薔薇審判<ローゼン・シート>、のマスターでと申します。」
いぶかしげな視線を送るめぐと水銀燈に対して、は平然と答える。
「水銀燈の・・・敵?」
「いいえ。このこは<アリス・ゲーム>には参加しません。この子は審判<シート>ですから。」
めぐの言葉をあっさり否定する。
「・・・審判<シート>?」
「はい。・・・まぁ審判<シート>と言っても、見守るだけですが。」
は抱いていたに向かって微笑む。
それからめぐとはしばらく自分たちのことを話し合った。
途中、看護師が入ってきて楽しそうなその様子に驚いた様子を見せたが、めぐはさっさと看護師を追い出していた。
その様子をはニコニコと、水銀燈は少々不機嫌そうに眺めている。
「さて。私はそろそろお暇いたします。」
「・・・また・・・来てくれる?」
しばらくして、がそう切り出すと少し寂しそうにめぐが呟く。
「はい。めぐさんが宜しければ。」
にっこりと答えるにめぐは嬉しそうにはにかむ。
「では、また。」
「うん。」
「いい子ね。」
「はい。」
は抱きかかえたに話しかけ、微笑みながら家路に着いた。