Narciso act3

電車に揺られて三十分弱。空座町へ到着。改札を出たとたん何か視線が痛いです。それもそうだ。明らかにこの辺りの高校のものではない制服(物凄く余談だが骸たちも高校は並高へと進学した)でしかも骸もクロームももかなり整った顔をしている。そんな三人が連れ立って歩いていたら人目も引くというものだ。ただ救いはあまりにも近づくなオーラ(主に骸から)が発せられているため誰も声をかけてこないということだろう。
「・・・・・・。」
「落ち着け骸。幻術の無駄遣いとかすんなよ。」
無駄遣いとかあるのか。とりあえず落ち着け。深呼吸。
「もーすぐだから。チョコ買ってあげるから落ち着いてー。」
「子ども扱いしないでください!」
・・・私・・・麦チョコがいい・・・。」
「クロームも乗らないでください!」
ちょっとしたコントの出来上がりー。内容がちょっと残念だ。
そんな会話をしているうちに目的地に到着。店の前で掃き掃除をしていた雨とジン太がこちらに気付き、店の中へ入っていく。たちが来たことを浦原に伝えに行ったのだろう。すぐに浦原が店先に顔を出した。
「イラッシャイ、さん、骸さん、クロームさん。」
「ちっす。総隊長から連絡来てる?」
「来てますよ。・・・女子制服二着と男子制服一着でよろしいっスか?」
「ん。よろしくー。」
何かサクサクと話が進むのもあまり気にした様子もなく、骸とクロームは駄菓子(主にチョコ)物色中。
「ではアタシは手配してきますんで中でお待ちくださいな。テッサイ、お茶を。」
「はい、店長。殿、骸殿、クローム殿。奥でお待ちください。」
「あ、その前にコレください。」
「私は・・・これ・・・。」
骸は五円チョコと某製菓会社の有名なチョコレート各十個ずつ(え)。クロームは麦チョコ(徳用)。緊張感のカケラもありません。この二人にそんなものを求める時点で無理です。
「・・・本当・・・自分で言っといてなんだけど・・・好きだね、チョコ。」
「うん。」
「・・・悪いですか?」
「悪か無いさ。ほら奥行くよー。おじゃましまーす。」
何しに来たのかちょっと解らない。

捏造万歳!