ボンゴレ門外顧問組織CEDEF。そこに所属するラル・ミルチはいつものように不機嫌丸出しといった顔でボンゴレ本部の廊下を歩いていた。なぜか。現ボンゴレで実質的No.2といわれ、十代目ボスである沢田綱吉の妻であるに呼び出されたからだ。ご丁寧に死炎印付きの勅命で。
「・・・くだらないことに勅命を使うな・・・。」
大きく溜息をつく。
「・・・ここか。」
呼び出された場所が執務室などではなく広間だということや今日が二月二十日であることからなぜ呼び出されたのかくらい、超直感の無い自分でもうすうす感づいている。
「・・・。」
なんだか物凄くめんどくさい。だが、ここで行かなければ多分、あとがもっとめんどくさい。思い切って扉を開けた。
『Buon compleanno!』
パーン!というクラッカーの音と共に祝いの言葉の大合唱(一部ノリの悪い奴ら除く)。
思わず一歩下って扉を閉めかけた。だが逃亡失敗。に捕まった。
「何で逃げようとするかなー?」
「・・・面倒だからだ。」
「酷!酷いー!めんどくさいとか言わないの!みんなラルのことお祝いしたいの!」
ほら主役!とどこにそんな力があるんだと思うぐらいの力でラルを引っ張り、広間の真ん中に押し出す。
「自分の誕生日くらい素直に祝われておけ、コラ!」
「!コロネロ!」
いつの間にか背後に立っていたコロネロ。は「呼んじゃったーvv」といい笑顔だ。
「油断大敵だぜ、コラ!」
「う、うるさい!」
顔真っ赤にして怒鳴られても怖くない。
「ふふーvvコロネロもこういってんだから祝われておきなさい。」
「とか言ってお前達が騒ぎたいだけだろう。」
向こうで騒いでいる奴とか(「極限!」という叫びが聞こえるのはいつものことだ)、我関せずといった様子で酒を飲んでる奴とかを一瞥して溜息を一つ。
「そうとも言わなくも無い。」
認めちゃった。
「でも、せっかくツナが用意してくれたんだから。ね。」
そう言って向こうでなぜか獄寺に絡まれているツナに視線を向ければ困ったような表情でこちらに手を振る。
「ね。ほら、コロネロ。エスコートしてあげて。」
「了解だぜ、コラ!」
「ちょ!」
「あ、このあと二人には特別任務。ラルとコロネロはデートしてくること!ちゃんと服とかも用意してあるから心配しないで!もークロームと俺で気合入れて選んだんだから!」
うきうきと語るにもう突っ込むのも疲れたのか、脱力。
「・・・しっかりエスコートしろ、コロネロ。」
「当たり前だぜ、コラ!」
「さ!みんなー!グラスを持って!」
『Buon compleanno!ラル!』
このあと本当にデートをさせられたラルが、どこから撮ったのかデート現場の写真を持っていたを追いかける姿が目撃された。
本当はうれしいけど
一日遅れ!ラルはぴば!
なんかもうぐだぐだ・・・!
タイトルは
rewrite様の『素直になれない君へ5のお題』よりお借りしました。
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