パフィオペディラムな君

四月二十三日金曜日。はカレンダーの前で途方にくれていた。
「・・・結局何にも用意できなかった・・・。」
バレンタインに告白して、ホワイトデーにOKの返事を貰ったから、実質、彼氏彼女の関係となって初めてのイベント。なのに、
「最低じゃん・・・あたし・・・。」
リアルにorzのポーズをとってしまった。
「・・・うー・・・武は・・・そういうの気にしなさそうだけど・・・。」
それでもやっぱり、何かしたかった。
「よし!明日・・・確か野球部の練習休みだって言ってたし!一緒に出かけてそれで決めてもらう!」
わざと声に出して一人で気合を入れて携帯に手を伸ばした。
♪〜〜〜♪
「うぉう!」
リアルに飛び上がった。
ディスプレイに表示された文字は個別設定していたメロディが示すとおり―山本武―
「も、もしもし!?」
『おー、かー?』
慌てて通話ボタンを押せばいつもの明るい声が返ってくる。
「ど、どうしたの?こっちから電話しようとしてたところだったからびっくりしたよ。」
『はは!俺達テレパシーで繋がってんのかもなー。』
ラブラブなのなー!
なんて恥ずかしいことをさらっと言ってのける山本に携帯を持ったまま赤面してしまう。
「・・・で、どーしたの?」
『ん?明日、俺の誕生日だからさ!デートしようぜ!』
「別にいーけど・・・っていうかあたしも同じこと言おうとしてたし・・・。」
『やっぱ俺達ラブラブなのなー!』
お前ちょっと羞恥心持てぇ!
終話ボタン押して携帯をベットに思いっきり投げつけてみた。
待ち合わせは落ち着いてからメールをしておいてみた。返ってきたメールにやたらハートマークがちりばめられていて、お前は女子高生かぁ!と携帯は二度目のベットダイブをした。

「・・・結局デートだけで終わった・・・。」
「ん?どーした、。」
帰り道。ゲームセンターのUFOキャッチャーで山本がゲットした巨大な熊のぬいぐるみを抱きしめては眉間に皺を寄せた。
「・・・だって・・・プレゼント・・・逆にあたしが貰っちゃったじゃん・・・これ・・・。」
「俺は一日を一人占めできただけで幸せなのな!」
「・・・天然めー・・・。」
熊の頭に顔を埋める。
「・・・んー・・・そーだなー・・・なんかくれるってんならー・・・、」
「なんかあるの?!」
パッと顔を上げたの唇にやわかな感触。そして物凄い近い距離に山本の顔があって。
たっぷり十秒。キスをされたということに気付いて真っ赤になる。
「貰ったのなー、プレゼント!」
にかっ、といつもの笑顔な山本に、やっぱりこいつには敵わないと、改めて思った。

パフィオペディラムな君
山本誕生日おめでとう!闇猫の中の山本のキャラはこんなのです!(笑)。

パフィオペディラムの花言葉:軽快
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