the blue vault of heaven and mother earth ヴァリアー編 act8
ツナが避雷針をぶったおした。それをヴァリアーは驚いたように見つめ、それでも冷静に何をしたかを判断している。さすが独立暗殺部隊ヴァリアー。
「いくら大切だって言われても、ボンゴレだとか、次期ボスの座だとか、そんなもののために俺は戦えない。」
ツナのその言葉に、一同は驚愕の表情をする。しかし、次に続く言葉にツナを信頼する面々は表情が綻ぶ。
「でも友達が、仲間が傷つくのは嫌なんだ!」
額の、死ぬ気の炎が消える。次の瞬間、
「ほざくな。」
「ツナ!」
「十代目!」
声と共に、ツナが吹っ飛ぶ。声のしたほうを見ると、給水塔の上にはザンザスの姿。ツナとザンザスがにらみ合う。
「・・・なんだその目は。まさかお前、本気で俺を倒して後継者になれると思っているのか?」
「そんなことは思ってないよ!俺はただ・・・この戦いで仲間を誰一人失いたくないんだ!」
それは決意。それは誓い。その言葉は言霊となって、ツナを信じる仲間たちの中へとしみこむ。そんなツナのことが気に入らないザンザスは手に死ぬ気の炎を宿す。それをとめようとしたチェルベッロの一人が、ザンザスに吹っ飛ばされてしまう。
「俺は切れちゃいねぇ。むしろ楽しくなってきたぜ。ふん。」
そこで笑ったザンザスにヴァリアーの面々はなんか嬉しそう。
「いつから見てないかな、ボスの笑顔。」
「八年ぶりだ・・・。」
「っていうかアレ笑顔?!ねぇ!笑顔?!」
笑顔ってもっと可愛いもんじゃないの?!
と俺が突っ込みを入れてみてもスルーされた。うっわぁ・・・さん超かなしー(キモイ)。それにしても・・・ザンザスすっごく楽しそう・・・。ぶっちゃけ一発ぶん殴りてぇ(え)。
そして、負けたランボの『雷のリング』と、試合に介入したツナの『大空のリング』はヴァリアーに、取られてしまった。
「では、明晩のリング争奪戦のカードを発表します。明日の対戦は、嵐の守護者の対決です。」
チェルベッロの声が、響いた。
「で、なんでお前がここにいる。」
「お前でなくて、。名前くらいちゃんと覚えてよね。一応クラスメイトなんだし。ツナがボスになったら同僚だよ?」
帰り道。俺もツナたちと一緒に帰ることにした。了平先輩は別方向ということで既にいない。
例のごとく獄寺が突っかかって来たけど右手の中指にはめた指輪をちらつかせてそう言えばぐっと言葉に詰まる。ふふふーvvv俺の勝ち(え)。
「俺、本当にあの時、勝負に割って入ってよかったのかな?」
そんな中で、俯いたまま歩いていたツナがポツリと呟くように言葉を漏らす。
「ツナ?」
「十代目・・・。」
山本と獄寺が心配そうに呟く中、リボーンだけはしっかりと、ツナの行動を肯定する。それに応えるようにツナも大きく頷くと、次の日からの修行に意欲を見せた。