the blue vault of heaven and mother earth ヴァリアー編 act10
その日の夜。並盛中の校舎内。嵐のリング争奪戦が行われる場所に俺達は集まっていた。それはいい。それはいいんだけど・・・!
「すいませんチェルベッロの方・・・!」
「何でしょう?様。」
「なんで俺はこんな格好でここにいるんでしょうか!?」
「ヴァリアー側の嵐の守護者、ベルフェゴールからのたっての希望です。」
「てめぇの仕業かー!」
俺は前回と同じようにというか少し早めにマンションを出た。んで、出たところでチェルベッロに拉致された(え)。気が付きゃいろいろと弄繰り回されて着替えさせられたのがこのドレス・・・!ノンスリーブのプリンセスラインのドレス。ひじの辺りまでドレスと同じ色の手袋。髪型までいじくられたよ・・・!俺が着替えさせられてる間中チェルベッロの人がもんのすごぉく楽しそうだったのは絶対気のせいじゃない・・・!(泣)。
そしてこんなドレス姿で現れちゃった(しかも一応ウエストポーチは返してもらったからドレスにウエストポーチというなんとも微妙な格好)俺の姿を見てちょっとフリーズしたしね!
「姫ーvv似合ってるよ!今日の戦いは王子が絶対勝って姫を助けてあげるから待っててねーv」
「勝たなくいいし助けなくていい!っていうか何からたすけんだよこんちくしょー!姫って言うなー!(号泣)。」
あぁ、俺絶対遊ばれてる。完全に遊ばれてる。既に疲れた。獄寺の試合を見る前から疲れた。
「えぇっと・・・・・・?」
「・・・・・・・・・ん?(半泣)。」
「似合ってるよ?」
「ごめん、褒められた気がしない。」
「だよねー。」
なーんて。あほな会話をしているうちにもうすぐ十一時。
「あの時計が十一時を指した時点で獄寺隼人を失格とし、ベルフェゴールの不戦勝とします。」
時間は、刻々と近づいてきている。あと二秒で十一時を指そうというとき、ダイナマイトにより時計が壊され、ギリギリのところで獄寺は間に合った。
「お待たせしました、十代目。」
「あ!獄寺君!」
「来たな。」
廊下の向こうに立っていたのはしっかりと立つ獄寺の姿。
「獄寺隼人、行けます!」
そう言ってこちらにフィールドに入ろうとすると、俺と目が合った。
「・・・・・・・・・・・・・・・おい、。」
「・・・なにさ。」
「なんでそんな格好なんだ?」
「聞くな。っていうか聞かないで。」
本当、涙出てくるから。俺は着せ替え人形じゃねぇっつーの。俺のその悲壮感あふれる雰囲気を察したのか、獄寺はそれ以上聞いてこなかった。うん。ありがとう。でもね、その哀れみをこめた視線は止めて欲しいな!本当に惨めになるから!畜生・・・!
「獄寺ー!頑張りなさいよ!」
なんかむかつくからとりあえずやけっぱちに応援しといた(え)。
これがすっごくやりたかったの・・・!(爆)。
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