the blue vault of heaven and mother earth ヴァリアー編 act26
いちいち扉を開けて入るのももどかしくてザンザスの攻撃で開いた天井の穴から体育館に突入すると、
「やっほー姫。やっぱり自力で脱出しちゃったんだねー。王子が助けてあげようと思ってたのになー。」
既にベルがリングを手にして、マーモンを解毒。クロームを人質に取っていた。
「遅かったか・・・つーか姫って言うなって言ってんだろ。」
鋼糸を腕に巻きつけて手には苦無で臨戦態勢。
「だって姫は姫ジャン。そっちの守護者片付ければ姫はこっちのもんでしょー。シシシ。ねー姫、早くこっちおいでー。」
「
ふざんけん、なっ!
」
苦無を二、三本立て続けに投げつけてやれば、ベルはソレをナイフで打ち落とす。
「シシシ、何?姫が相手してくれんの?」
「お望みならいくらでも相手してやんよ。」
さらにポーチから苦無を取り出して構える。攻撃しようとしたそのとき、
「な!」
「ポールが・・・!」
「どうなってやがる!」
獄寺と山本が体育館に駆け込んできた。
「おーっす。獄寺、山本。ぼろぼろじゃん。」
「!お前『結婚式から脱走してきた花嫁』って感じだな。」
「!自力であそこから出たのか?!髑髏はどこ行きやがった?!」
山本のなんだか的確なようで的確でないボケに苦笑するとベルの声でそちらに注意が向く。
「こっちこっち。シシ。」
「待ってたよ。」
視線の先には人質になったクローム。
「お前らの持つリングと姫を渡してもらおうか。」
「
俺はモノじゃねーよ。
」
「さもないと・・・シシシ。」
「ふん。」
「
無視かい。
」
気持ち良いくらいにスルーされてちょっとむっかー。苦無をしまってポーチからさらに殺傷力の高い刀を取り出して構えれば何故か山本になだめられた。
「・・・止めるな山本。」
「・・・やー止めねぇけどな・・・
そのポーチどうなってんだ?便利なのなー。
」
「
そっち?!
」
「今はそんなこと気にしてる暇はねぇだろう野球馬鹿!」
・・・山本、突っ込みどころ満載過ぎるよ。おかげでちょっとだけ気が抜けちまったよ。そんなことを思いながら、俺達はもう一度ベルとマーモンを見据えた。
山本は天然なのか腹黒なのか分からなくなってきた・・・(爆)。
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