the blue vault of heaven and mother earth ヴァリアー編 act27

ベル&マーモンと獄寺&山本+俺のにらみ合い。
「シシシ。お前の持つリングと姫、渡してもらおうか。」
「さもなくば、この女はむごいことになるよ。」
俺は物か!
一応突っ込みを入れてみるがスルーされた!
ベルとマーモンの素晴らしく悪者のやるような手口に獄寺が喚きたてても、向こうの二人は平然としたもので。最終的には開き直りやがりましたよ!

「しょうがねぇ。リングを渡すしかないみたいだな。」
しばらく無言の攻防が続いた後、唐突に山本が切り出した。やっぱりそれに獄寺が噛み付いたけど、山本はもう、渡すこと決定のような感じで話を進める。
「ラッキー。集める手間、省けたじゃん。もちろん、姫もこっちね。」
人が嫌がってんの知ってる・・・!?
既にいろいろと突っ込みどころ満載過ぎてむかつくわあ・・・。
「ただし、いっぺんにはやらねぇぜ。まずはその子の解毒とこの、雨、雲のリングとの交換だ。」
「な!」
「・・・山本・・・。」
獄寺が喚きまくる中で、山本は交換条件を出す。・・・てかこの状況で交換条件を出せるあんたが凄いと思うよ・・・。
「それが出来たら信用して、残りのリングと、その子の交換に応じる。については、が決める。」
「当たり前じゃん。」
山本の交換条件をベルは鼻で笑い飛ばす。
「その距離からそっとリングを転がしな。」
「同時だよ。そっちもクロームの解毒をしなさい。」
睨みつけるようにしてもやっぱり余裕の表情をするベル。それでも条件を飲んで、山本はリングを、ベルはクロームの解毒をしようとして、
わたっ!
「!」
その瞬間、山本は瓦礫に躓いたふりをして
「(時雨蒼燕流、攻式三の型。遣らずの雨!)。」
次の瞬間にはマーモンに刀を突きつけていた。その動きには、驚くしか出来ない。
「(・・・さすが、実際に見ると凄いね・・・)。」
展開を知っていた俺でも感心してしまう。
形勢逆転、そう思ったが、やはり、マーモンたちのほうが一枚も二枚も上手。そこにいたのは全て幻覚。目の前にいたマーモンやクローム、ベルが消え、後ろに現れる。・・・知ってたけどさ。山本たちが来るまでこっちと会話してたしさ。
「さぁて。残りのリングと、姫をいただこうか。」
素晴らしく悪党な台詞だな、オイ。
そう思うのは俺だけじゃないはず。実際いろんな意味で悪党だけどさ!
「シシ、形勢再逆転♪」
半分隠れた顔で楽しそうにしているベルにちょっと殺意が沸く。
「さぁ、残りの三つのリングと、姫をこっちによこしな。」
「じゃないと、この娘。もっと苦しむことになるよ。」
マーモンの幻術によって縛り上げられたクロームが苦しげな声を上げる。
幻覚のマーモンに山本と獄寺が攻撃を仕掛けるけど、所詮幻覚。マーモン本人にダメージは無い。
「まだ分かってないようだね。幻覚を見ている君たちには、この場で何もする権利は無いんだ。」
嘲笑うかのように言って、マーモンはさらに山本と獄寺も縛り付ける。
「お前達もここで終わるのさ。自分達の想像力によってね。」

マキシマム・キャノン!
次の瞬間、体育館が跡形も無く吹っ飛んだ。いやぁもう、キレイさっぱり(え)。
瓦礫の中から這い出れば、獄寺も山本もクロームも無事っぽい。
「大丈夫ー?」
「ああ。も無事か?」
「うん。ドレス破けたけど動きやすくなった。
瓦礫に引っ掛けてスカート部分が破けて短くなったスカートをつまんでみればなんか目をそらされた。・・・お見苦しいものをお見せして申し訳ありませんなー・・・。
「今の一撃ってまさか・・・、」
「すまんな。まどろっこしいのは嫌いでな。」
「だからってやりすぎです・・・先輩・・・。」
入り口(のあった)ほうを見れば、不敵な笑みを浮かべる了平先輩が立っていて。俺はちょっと苦笑してしまった。

男前な女の子大好きなんです・・・!
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