Tri-colore Tourmaline act14
「十代目、証拠現場映像用意できました。」
また次の日の放課後。例の如くホスト部活動な音楽室の端、ソファ席でミニ会議が行われていた。
「うん。証拠はOK。売人の目星は?」
「映像のほうから割り出してあります。」
渡された資料に目を通してはふと思い出したように顔を上げた。
「ハルヒー、」
「どうしたの、。」
「・・・今、よろしい?」
ちらりと鏡夜に視線を向けてみればOKが出たので、ハルヒはたちの居るソファ席へ。
「ちょっと聞きたいのだけど、」
「何?」
「えっと、笠野田君・・・だったかしら。こちらに出入りしていると聞いたのですけど・・・、」
「あぁ、うん。それだったら・・・、「「あ、ボサノバッちだー!!」」
「笠野田っつってんだろ。」
「あの人だよ。」
なんだろう。物凄くグッドタイミング過ぎるとか、資料で見てはいたけど地で凶悪顔だな・・・ザンザスほどじゃないけど、etc思うことは色々だけど。
「ハルヒ、紹介してくださる?」
「え・・・あ、うん。いいよ。カサノバ君!」
「あ゛?あぁ藤岡、どうし・・・た?」
双子にいじり倒されていたので一瞬、ドスの聞いた声で思わず返事をしてしまったが呼んだのがハルヒだと解ると少し表情が緩む。が、その周りにいる集団が目に入ると一瞬動きが止まった。が、ハルヒがちょいちょいと手招きしているのがわかると恐る恐るこちらに近づいてくる。っていうか呼ばれ方おかしいのはスルーなんだ。
「な・・・何か用か?っていうかそいつらは?」
「あ、聞いてるかな。交換留学って形で来てる並高の人たち。」
そう言われて、あぁ、そんなこと言ってたな、担任が。自分達には関係ないだろうと記憶の隅に追いやられていたものを引っ張り出す。
「それで、用があるのは自分じゃなくてこの人たちなんだ。」
「は?」
訳がわからないといった表情で並高の人たち―綱吉たち―を見れば綱吉とににっこりと笑顔を向けられる。
「君が、笠野田組の次期、だよね?」
「・・・だからなんだ。」
自分の家のことを出されて警戒が顔に出る。そんな笠野田に少し苦笑。
「そんなに警戒しないでよ。俺達は別に、君達の組に害を与えようって言うんじゃない。今日は君のお父さんに挨拶がしたくてね。俺達は、ボンゴレファミリーだ。」
「!」
最後の言葉だけ、笠野田だけに聞こえるくらいの小声だったが、その名を聞いたとたん、体が硬直した。
「うん。俺がその次期、沢田綱吉。君とはこれから長い付き合いになるとは思うからよろしくね。」
なんかいろいろとパニックだ。
今、学校内で流行っているクスリについて話したいと言ってみれば納得したようで、真剣な顔つきになる。
「!あぁ、親父もそのことは頭を悩ませてんだ。・・・そっちに依頼が行ったのか。」
疑問でなく、確認。
「そうですわね。そのことについて、こちらで調査したことと、犯人確保のお手伝い・・・というか犯人確保は笠野田組にしていただきたいのでその辺のお話を。」
「・・・わかった。」
いろいろと話についていくのが一杯一杯な感じだが、かろうじて自分の家に関する重大なことだということは理解したらしい。というかここがホスト部活動場所の第三音楽室だということをお忘れなく。
「じゃぁ、自分はもういいかな。次のお客様、来ちゃったみたいですし。」
「えぇ、ありがとうハルヒ。」
「うん。」
鏡夜のほうを指して問うハルヒにお礼を言えば、ハルヒは次のお客様のところへ。
「さて。獄寺君、リボーンに連絡。笠野田組の組長にアポとってもらって。、笠野田組には行ってもらうよ。凪、今日は凪一人でハルヒの護衛になるけど大丈夫?」
「大丈夫よ、ボス。」
「十代目。リボーンさんに連絡つきました。アポの件、了解したとのことです。」
てきぱきと指示を出すその姿はさすが、イタリア最大マフィア、ボンゴレファミリーの次期。
「・・・すげぇ。」
「ふふ。これが綱吉のファミリーですわ。」
満足そうにが微笑む。
「よし。じゃぁ、頼んだよ。」
「了解しましてよ、ボス。」
物語はちゃくちゃくとクライマックスへ進んで行く。
・・・はー・・・(溜息)。