Tri-colore Tourmaline act18
そしてパーティもクライマックス。最後に環が壇上から挨拶をする予定になっている。
いよいよその段になった、そのとき、
バチン!
キャー!
ワー!
大きな音がして会場の明かりが全て消えた。パニックになった人々の悲鳴が響く。
「ミッションスタート!」
『了解!』
通信機からそれぞれの声が聞こえ、配置につく。
パッ!
明かりがつく。壇上には環を羽交い絞めにしている黒服の男の姿。
「環先輩!」
「「殿!」」
「タマちゃん!」
「うるせぇ!」
キャー!懐から取り出された黒光りする銃に、さらにいたるところから悲鳴があがる。間近でそれを目の当たりにしてしまった環の顔も青ざめている。
「悪ぃな。金と、俺たちファミリーの繁栄のために犠牲になってもらうぜ!」
何処のチンピラかと言うような悪役のお決まり台詞を吐いたと思うと何処から沸いて出たのかいたるところから黒服の男達が現れる。その全員が招待客に向けて銃を構えている。
「申し訳ありませんわね、環様。でも、これもあなたのおばあ様とお父様がいけませんのよ?」
すっ、と前に出たのは先ほど綱吉が示した神無月桜子。
「お嬢様、契約は守ってくださるんですよね。」
「えぇ、約束は守りますわ。」
にぃ、といやらしく笑う男に不快感が募る。
「んじゃ、やっちm「そうはいかん!」
気が付いたときには招待客を取り囲んでいた男達はほとんどが地に伏せている。呆然とする男と桜子の前にすっと出たのは綱吉とと、いつの間にか連れてこられた少々青ざめた顔の笠野田。
「な、なんだてめぇら!」
「んー、じゃぁ、聞きますけど、ここいら一体を治めている組って知ってます?」
「あ゜?そりゃ、笠野田組とかいうジャパニーズマフィアで・・・、」
「はい、せーかい!」
パン、と一つ綱吉が手を叩くと「グッ!」といううめき声と共に一人、黒尽くめの男が倒れる。
「因みにこのちょっとお顔の怖い方がこの笠野田組の次期ですわー。」
がにっこりと(ちょっと酷い)紹介をすればどちらかというと笠野田のほうが顔色を青くする。
「・・・じゃぁテメェらは・・・なんだ!」
「焦らないでくださいな。第二問。さらに笠野田組の上、この辺りを取り締まるのは何処でしょう?」
「はい時間切れ!」
ドカ!バキ!ドゴ!
また黒尽くめの男が倒れる。
「テメェら!」
「はい!答え合わせ!正解は『ボンゴレファミリー』でした!」
「いくら下っ端の新参なあなた方でも名前くらいご存知ですわよね?」
常に笑顔で男と対峙する綱吉とに相手の男だけでなく、隣に居る笠野田も圧倒されて動けない。
「だ・・・だからどうしたってんだ!そんなもん、テメェらガキどもに関係nピロロ「はい。」
男の声をさえぎって鳴った音の方向を見れば獄寺が倒した男を足蹴にしながら電話をうけている。
「はい。十代目、門外顧問のバジルからです。ヴァリアーは無事ヴァリシオースファミリーの本部壊滅に成功。ボスも捕らえたそうです。」
「な!うちのファミリーを!?」
「ん、ごくろーさまー。」
満足そうに頷いて綱吉は再び男に向き直る。
「さて。お聞きの通りあなたのファミリーは壊滅。後はここにいらっしゃる方々だけですが・・・どうしましょうか?」
さらににっこりとが微笑む。目が笑っていない上になんか黒いものが見えるのは・・・スルーしよう。身の為だ。
「・・・あなた達・・・本当に何者なんです?私達の邪魔をして、あなた方にどんなメリットがあるんですの?」
少し表情を青くしながらもしっかりとこちらを見据える桜子に少し残念に思う。こんなことにならなければ立派に上に立つ人間になれただろうに。
「・・・今の会話で察してくださいな・・・。」
あ・・・切れる・・・。の怒りゲージがさらに上がった。
「『ヴァリアー』って・・・まさか・・・あのボンゴレ特殊暗殺部隊の『ヴァリアー』!?」
「ようやく解りましたの?そして綱吉はボンゴレファミリーの十代目ボスですわ!」
男と、桜子の動きが止まった。
この展開で一番かわいそうなのは笠野田君かもしれない(苦笑)。