俺がぐるぐると試行回路フル回転で状況を把握しようとしていたら、弥生時代のお姫様(?)な恰好のお姉さんがにこにこと声をかけてきた。
「おめでとう!君は選ばれちゃいました☆」
・・・見た目と中味のギャップが・・・!!
テンション高めに語尾に☆が飛ぶ勢いなお姉さんにちょっと引いた・・・。
「・・・選ばれちゃいましたって・・・何に?」
「私の暇つぶし?」
「
おい。」
暇つぶしってナンデスカ暇つぶしって。しかも何故疑問系?
「・・・姉上・・・。ちゃんと説明しないと混乱しますよ。」
銀髪で長い髪を後で一括りにした全体的に白いお兄さんがお姫様なお姉さんを『姉上』と呼び、説明を促す。ありがとう、お兄さん。っていうか姉弟だったんだー。・・・似てねぇ(酷)。
「えー、めんどくさーい。ツッキーのほうが説明とか上手でしょー?よろしくぅ☆」
「誰がツッキーですか誰が。その呼び方やめてくださいと何度も言ってるでしょう。それに自分で連れてきたんです。自分で説明してください。」
・・・めんどくさいって・・・。なんかもう凄くいい加減だなこの人。白いお兄さん(ツッキーって言ったら怒られそうだから)に同情するよ。
「えーもうしょうがないなー。えーとね、貴女にはちょっと異世界トリップしてもらおうと思うの♪」
「・・・
What's?」
今異世界トリップ言いましたよねー・・・。そんな普通に?え?何で?
「大丈夫。全然知らない世界ってわけじゃないの。『少年陰陽師』って知ってるでしょ?」
「え?あ、はい。知ってますね。まぁ、読んでないんで詳しく知ってるわけじゃイですが。」
「それはよかったvvでね、貴女にはその『少年陰陽師』の世界に行って昌浩君の手助けをしてもらいたいのv」
「・・・まーじーでー?」
何そのもっそい展開は。夢じゃないかと思って俺はほっぺた抓ってみる。・・・痛い・・・。
「悪いけど夢じゃないわよーvvちゃんと『少年陰陽師』の世界は存在しているの。他の小説や漫画の世界もいろんな次元に存在している。で、あなたは『少年陰陽師』の世界に行くためにここに呼ばれたってわけ。」
常にニコニコ。お姫様なお姉さんはそれはもー楽しそうに説明してくださいます。ええ、それはもうものっそい楽しそうに!
「・・・でも『少年陰陽師』で、昌浩の手助けをするっていわれてもー俺霊感持ってないし。バトル能力これっぽっちもないんですが?」
「あ、それなら大丈夫。コレあげる。」
渡されたのは『魔法騎士レイアース』で光達がつけてたような手甲(宝石のような飾りつき)。
「・・・もしかして此処から武器が出てくるとかそういう設定ですかー?」
「あったりーvv」
テンション高いなぁ・・・。っていうか本当に楽しそうだ。マジで。
「自分でイメージした武器を三つまで作り出すことが出来るわ。もちろん、貴女が知っている漫画やアニメ、小説なんかに出てくる武器みたいなのでもOKvv」
・・・便利すぎー。
「俺からはコレを。」
そう言って白いお兄さんがくれたのはなんか赤い液体の入った小瓶。
「飲め。」
「うぇ?」
「
飲まぬのなら無理矢理にでも飲ませるぞ。」
「
ごめんなさい。飲みます。飲ませていただきます。」
物凄い形相で迫ってこられたので一気飲み。・・・なんか鉄臭い・・・。・・・嫌な予感がするのは何故でしょうか・・・?
「・・・飲みました・・・が・・・因みにコレはなんだったんでしょうか?」
「
私の血だ。」
「
うぇええぇえええええええ!」
「コレでお前は神の眷属となった。」
「後はすーちゃんが教えてくれるわv」
「すーちゃん言うな。」
混乱したまま色々言われ、すーちゃんと言われた今まで黙っていた黒い長い髪を後で一括りにした全体的に黒い兄さんが応えた途端、
「
ほええええええぇえぇぇぇぇぇえええええぇっぇえ!」
落ちた。
「
ちょ!落ちるー!!」
「頑張ってねーvv」
最後に見たのはやっぱり素晴らしい笑顔で手を振るお姉さんと、眉間に皺を寄せて溜息をつく白いお兄さんの姿でした(あれ?黒いお兄さんは?)。