天使の子守唄 禍つ鎖を解き放てact4
「くかー・・・。」
「くぉら!いい加減に起きんか!」
「ぐぉ!」
「・・・むー・・・露樹様・・・吉昌様・・・清明様・・・彰子様・・・おはようございますぅ・・・。」
「おはようございます。さん。」
すーちゃんのダイビング目覚まし(胃袋口から出るかと思った)で目覚めた俺は食事はとらなくてもいいものの、とりあえず挨拶だけはしようとさっさと着替えを済ませ、皆が食事をしている部屋へと向う。そこにはやはり全員(昌浩以外)がそろっていて、露樹様がにっこりと微笑んで挨拶を返してくれる。
「・・・昌浩・・・はまだ寝てるんですね。」
「そうね、そろそろ起さないといけないんだけど・・・。」
「あ、だったら俺、起してきますよ。」
「あら、じゃぁお願いしますね。」
困ったように微笑む露樹様に頷くと、俺は昌浩のいる部屋へと向う。
昌浩の部屋の戸を開ければ、大の字になってもっくんと一緒に寝こけている昌浩の姿。
「・・・俺よりよく寝てんなー・・・。」
「・・・とりあえず起そう。」
「・・・うん・・・。」
くーかーといびきをかいて気持良さそうに寝ている昌浩を見下ろし、大きく息を吸い込んだ。
「おっはようございまーす!」
「どわぁ!」
叫んでみれば、凄い勢いでもっくんと一緒に飛び起きる昌浩。いい反応だ。うん。
「・・・な・・・何・・・?」
「おはよう、昌浩。」
にっこり笑ってみれば昌浩ももっくんもぱちぱちと瞬きをする。
「・・・あ・・・おはよう・・・ございます・・・。」
「うん。そろそろしたくしないと遅刻だよ?」
「うぇ!わぁぁぁぁぁああ!」
大声で叫び、大慌てで部屋をとび出す。その後姿をもっくんと共に苦笑しながら見送る。
「・・・ねぇもっくん、これ、毎日?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや・・・・・・・・・うん・・・・・・。」
なんだその間は。そのままもっくんは昌浩の後についていってしまった。
「さすがに陰陽寮についてくことは出来ないからお留守番してる。そっちはもっくんもいるから、大丈夫でしょ。」
ばたばたと出て行こうとする昌浩ともっくんに声をかければ力強い答が返ってくる。
とりあえず、俺は昌浩が帰ってくるまで彰子様と一緒に露樹様のお手伝いをして待っていることになった。