天使の子守唄 禍つ鎖を解き放てact9
お昼近く。掃除などなど彰子様と、露樹様の手伝いを終らせると、露樹様に買い物を頼まれた。塩が切れたから買いに行ってほしいと。本当は彰子様一人で行くはずだったが、俺も邸に篭っているばかりではつまらないだろうということで二人で行ってきてくれとのこと。
通りすがりの清明様が苦笑していた(苦笑)。
「さー、行きましょうか、彰子様。」
「彰子。様なんてつけないで。。敬語もなし。」
「うん。行こう。彰子。」
笑って手を差し出せば微笑んで彰子も手を掴んでくれる。
「何か欲しいものがあったら、買ってきてもいいですよ。」
「はい。行ってきます。」
俺と彰子は市へと向った。
市へ行く途中、一条戻り橋の下にいる車の妖に彰子が手を振っているのを見て、誰?と聞けば、昌浩の式だそうな。ずいぶんと可愛い妖を式にしたもんだなー・・・まぁ移動には便利そうだ。
買い物を済ませると、一度、分かれて欲しいものを買ってこようということで彰子と別れた。
彰子はまだ気付いていないが六合が付いてきてるから、大丈夫。彰子は心配ない。
「さぁて。すーちゃんになんかお土産でも買って行きますかねー。」
今日はすーちゃんはその辺を偵察(?)がてら散歩中。四六時中俺のお守ってのも息が詰まるだろうからたまにはねー。
「・・・あ・・・。」
見つけたのは紫がかった黒い石の付いた耳飾。
「・・・キレー・・・。」
「お、コレが気に入ったのかい?」
「うん!」
値段を聞けば露樹様に渡された分でも十分買えるだけの値段。俺は耳飾を買うと彰子の気配があるほうへ向った。