天使の子守唄 プロローグact2
「うぎゃぁ!!」
「わわわわあわぁ!」
ドスン!
痛・・・くない?いや、ちょっと痛いけど。音に比例するほどの痛さはない。それになんか俺のではない悲鳴が聞こえた気がするのは気のせいだろうか?でもなんか踏んづけてる気がする・・・。
おそるおそる自分がいる場所を確認し、さらに自分が下敷きにしているモノを確認すると・・・。
「あ。」
「おい!早くそこからどいてやってくれ!!」
雑鬼(だっけな?)を下敷きにしていた。しかも5匹ほど。
「あー・・・悪い。大丈夫か?」
立ち上がって、下敷きにしてしまった雑鬼を覗き込んでみる。・・・可愛いなぁ・・・一匹欲しい(え)。
「・・・っていうか、お前、俺達が見えるのか?」
「うん。自分でもビックリなことにしっかりばっちり見えてるんだなーコレが。」
本当。自分でもビックリですねー。生れてこのかた2×年。幽霊やら妖怪やらその他もろもろ人外のものにお目にかかったことなんてなかったのに。
両手にはあのお姉さんに貰った手甲。髪型は変ってないけど、服装が・・・なんか・・・『遥か○る時空の中で3』の主人公みたいな恰好になってる。色は違うけど。
「お前さーいきなり天井から落ちてきたんだぜー。」
「うん。そだねー。」
「天井に穴なんて開いてないのになー。」
「まーねー。多分違う次元から落っことされた感じだからねー。」
「凄いなお前。普通ないぞそんな事。それなのに平気な顔してるな。」
「その前にいろいろあったもんで。」
なーんて雑鬼たちと世間話的な会話をしながら、あたりをもう一度見回す。此処は雑鬼たちがねぐらにしているあばら家か。
「なーお前等。安倍昌浩って知ってっかー?」
「あー孫かー。」
「清明の孫だなー。」
「知ってるぞー。」
「こないだ襲ってきた異邦のおっかないやつ退治してくれたんだ!」
「結構やるよな!孫!」
「でもいつも俺たちに潰されてるぞ!!」
「その辺はまだまだだな!」
わいわいがやがやと昌浩の情報を喋ってくれる雑鬼たち。『異邦のおっかないやつ』・・・。小説のどの編だか知らないけど・・・多分既に毎日夜警で潰されてるんだろうな・・・哀れ(苦笑)。