天使の子守唄 禍つ鎖を解き放てact16

都のはずれ、郊外の空き地にやってきた俺たち。そこで昌浩が魔方陣を作るのを俺とすーちゃんは近く木に寄りかかって眺めていた。
「頑張ってるねー。」
「陰陽師だ。アレくらいできないとな。」
「そういうもんか。」
「そういうもんだ。」
「ふーん。」
先ほど昌浩から分けてもらった干し桃を加えながら昌浩の行動を目で追う。
食事は取る必要はないけど、手持ち無沙汰だったし。甘いものは好きだから一個ありがたく貰ったものだ。・・・うまいな、これ。
そんなこんなしてるうちに昌浩の準備が終ったらしく、座り込んで干し桃を食べ始めていた。すると向こうからガラガラと輪の音が聞こえてきた。昌浩の式の車之輔だ。・・・なんか慌ててる・・・?
「どうしたんだ?」
もっくんが車之輔に声をかけるのと同時に駆け寄った俺の隣に神将の気配が出現した。
「「天一!」」
「清明様よりの言伝を、預かって参りました。」
「何?」
「九州の大宰府にて、ひとつの墓が暴かれた。かの怨霊の名は、穂積諸尚であると。」
「穂積・・・?」
昌浩が首をかしげると同時にもっくんの叫びが響いた。
短ぇえええ!
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