天使の子守唄 禍つ鎖を解き放てact20

昌浩の放った力は諸尚を両断した。だけど、残った恨鬼たちも全て浄化することは出来なかった。
「昌浩!なんかいっぱい残ってんだけど?!」
「しまった・・・!縛!」
取り逃がした恨鬼たちがどこかへ行こうとする。
「まずい、敏次の許に・・・!紅蓮!」
「だめだ、追いつけん!」
「そんなっ!」
「空を駆る術でもなければ・・・!」
「俺が行く!」
昌浩と騰蛇が言い合う言葉に危機感を感じ、翼を出す。
「先に行く!!」
それだけ言い捨てて恨鬼たちのあとを追う。すれ違いざまに、十二神将の気配を感じた。大丈夫だ。応援が来た。

「どりゃぁああ!」
間一髪。恨鬼が人(多分アレが敏次だ)に襲いかかろうとした瞬間、間に滑り込んで大鎌を振りかぶる。直に隣に天一が立つ。
「天一!」
「大丈夫です!」
後で敏次が起き上がる気配がする。あ、驚いて固まってる(苦笑)。
”碧の・・・疾風”!
風を起して恨鬼たちをなぎ払う。でも、全部は払いきれない・・・!
「我が身は我にあらず・・・」
「天一!!」
残りの恨鬼が天一に向って襲い掛かる。恨鬼の群れが途切れると、天一の身体が傾ぐ。
「天一!・・・あ。」
「天っ!天、天貴!天、目を開けろ!」
俺が手を伸ばし天一を支えようとした瞬間、別のたくましい腕が天一を支えた。十二神将が一人、朱雀。・・・天一の彼氏ー。目の前で繰り広げられる甘い会話に砂吐きそうです。はい。・・・このバカップルがー(棒読み)。
「ゴメン、朱雀!天一のこと守りきれなかった!!」
そんな事を考えながらも、ボロボロになって朱雀に抱かれる天一を守ることができなかったのは事実。そばに駆け寄ると朱雀は苦笑しながら俺の頭を子供をあやすように撫でてくれる。
「お前はよくやってくれたよ。お前がいなかったら天貴はコレくらいじゃすまなかったかもしれない。」
そんな事を言ってる間にも残った恨鬼たちはこちらの様子を伺っている。
そして、一瞬にしえ消え去った。隣の朱雀の笑顔が怖い(爆)。
「俺は今、機嫌が悪い。」
「・・・朱雀さん・・・笑顔がコワイデス。」
「そんなことないぞ?」
いえいえいえ。本当に怖いんですけど!そして朱雀は大刀を天一を抱きかかえたまま構える。俺も、大鎌を構え、恨鬼に向う。
「もたもたするな、さっさとかかって来い。」
「ふっ飛ばしてやる!」
朱雀と主人公はそれなりに。仲は悪くは無い。
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