天使の子守唄 六花に抱かれて眠れact9

「うわ、でかいなめくじみたい。」
「せめて蝸牛といってくれ、想像してしまうじゃないか。」
「・・・蝸牛の方が100倍可愛い。絶対可愛い。アレは巨大ナメクジで十分。むしろナメクジのほうが可愛くみえる。」
「・・・。」
上から昌浩、もっくん、俺、すーちゃん。六合はまだ合流していない。
そうして、巨大ナメクジを観察していると、昨日も見た”魂”。やはり今日もナメクジはアレを追いかけている。
「何でだ。あの魂には、そんな食いでなんてないだろうに。」
「魂っておいしいのか?肉のある人間のほうが、よほど食べでがあっていいんでは。」
「・・・おそろしい質問をありがとう、昌浩君・・・。あんまり想像したくないなぁ・・・っと、六合お帰り。」
「六合、何かあったのか?」
六合が戻ってきたので昌浩の質問を軽くスルーしてそちらに視線を向ければなにやら真剣な表情をしている。
どうしたんだろう。そう思った瞬間、
わあああぁぁぁっ!
巨大ナメクジが広がり、一団を取り囲んでいる。とっしーは離れた場所から必死で退魔の呪法を放っている。
「まずい、あのままじゃ全員食われる!」
「待って!今行ったらここに居た理由をねちねちと問い詰められるよ!?」
とび出そうとする昌浩の腕を掴んで止めればはっとした表情を見せる。
その間にもナメクジは必死で抵抗する人々をじりじりと追い詰める。
「――――だめだ、ほっとけないよ!・・・六合、それって、徒人にも見えるものか?」
「?ああ、これ自体が力を持っているから、そう念じれば・・・」
「貸して!」
言うが早いか。昌浩は六合の長布を掻っ攫うと、それを纏い、とび出していった。
「・・・ゴメン。怪しさ満載なのは気のせい?」
「・・・どこぞの夜盗がああいう出で立ちをしていた気が・・・。」
はぁー・・・と溜息一つ。しゃーない。
「・・・俺も行く。」
そう行って俺も、昌浩の後を追った。背後で、六合ともっくんが険しい表情で話をしていたのを俺は知らない。
あれ?名前変換が無い?(二回目)。
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