天使の子守唄 六花に抱かれて眠れact10
「禁!」
間一髪。とっしーと巨大ナメクジの間に滑り込んだ昌浩。見えない壁にぶつかったナメクジはそのまま消滅。千切れとんだ分はまた再集結。また人々を襲おうと構える。
「炎の矢!」
昌浩の後を追いかけてきた俺は咄嗟に魔法で応戦する。それを受けるナメクジ(いい加減にしろ)。こいつ・・・完全消滅させないと何回でも復活しやがる・・・!
昌浩は既にとっしーから離れて別のナメクジと対戦中。遅れてきた紅蓮と六合も応戦している。・・・すーちゃんは完全に傍観者決め込んでます。ちったぁ加勢しようよ・・・。
俺はとっしーに顔を見らえれないように注意しながら、今度は昇霊銃を具現化し、ナメクジ退治。・・・うっとおしい・・・(怒)。
そして、あらかた片付いたと思った頃、
「まがものよ、禍者よ・・・」
「は?!とっしー?!!」
昌浩がとっしーに攻撃された。昌浩もよけようと思えばよけられたはず。でもよけなかった。一瞬だけ見えたのは昌浩の影になってあの”魂”がいた。おそらく、昌浩はアレをかばったんだろう。
完全に倒れる前に六合が昌浩の身体を支えてくれたおかげで、地面とお友達は避けられたけど・・・。
俺は残るナメクジどもを威嚇しながら昌浩たちのもとへ駆け寄る。
「昌浩、大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だろう。」
六合に昌浩の様子を尋ねれば大丈夫だということたえが返ってきて少しだけ安心する。
っていうか紅蓮が怖い紅蓮が怖い。
「・・・紅蓮、抑えて抑えて。」
「無理だ(キッパリ)。」
あはは(苦笑)。頭に血が上った紅蓮は神気垂れ流し状態で。とっしーは紅蓮の神気に当てられて固まっております。ご愁傷様(合掌)。
「逃がすか・・・!」
とっしーに攻撃できない分、その辺うようよしてたナメクジの成れの果てに八つ当たり。・・・少し落ち着こうぜ、紅蓮さん。
もう、ナメクジの欠片もそこに残っていないことを確認すると、傍観者決め込んでいたすーちゃんを手招きし、抱き上げると、とりあえずその場から退散した。