天使の子守唄 六花に抱かれて眠れact12

んでもって翌朝。
「確かに、随分と奥に入り込んでおるのぅ。これではお前が気づかなんでも無理はない。」
昌浩は昨日かばった”魂”に憑依されていました☆
なんでもすごい悲しい夢を見て目が覚めたら目が真っ赤になるほど泣いていて、起しにきた彰子に指摘されてようやく気付いたらしい。まぁ、俺も気付かなかったけど。俺もレベルアップしてるとはいえ、まだまだだなぁ。
そんなこんなで現在昌浩は清明様の部屋で診断を受けております。おとものもっくんと第一発見者の彰子も一緒に。
俺は柱に寄りかかってその様子を眺めている。とりあえずじーっと目を凝らしてみると何となくあの”魂”の存在が見える程度。・・・うん。要修行って感じかな。
なんて思ってる間にも診察(笑)は終り、昌浩と清明様のいつものやり取りが始まった。
「・・・・・・じい様、だからですね、言いたいことがあるなら、きっぱりはっきりすっぱりと言っていただきたいんですがっ!」
・・・昌浩が切れた。
「もっくん、どうしたの?」
「いいから、ちょっと黙ってろ。へたすると八つ当たりがくる。」
「え?」
「あー、彰子は初めて?まぁ、見てれば分かるよ。そして慣れた方がいい。」
俺ともっくんの言葉にハテナマークを浮かべながら首をかしげている間にもバトルのゴングは鳴り響いていた。
「ああ、情けない、情けない。ちぃとばかり進歩したのぅ良かった良かったと安堵していたのもつかの間、こんな正体不明の死人をその身に依り憑かせて、しかしそのことにまったく気づかなんだとわ。じい様はお前をそんな風に育てた覚えはないぞ、昌浩よ。」
「育てられた覚えはあんまりないけどそーですね。」
「そういえば高淤の神降臨にも気づかぬ為体であったか。いや、相手が創世神話にもその名を連ねた神であればそれも致し方ないことだが。」
「そーですね。」
あ、タ○リ(笑)。
なんて思ってる間も昌浩と清明様の舌戦はヒートアップ。ぷちと何かが切れる音がした。
「だかどうしてそぉいうことをっ・・・!」
ぐらっ
「昌浩?!」
「え?」
叫び声と共に立ち上がった昌浩はくらりと傾いたと思ったら後ろにのけぞり、積み上げられていた本の山にダイブ☆そして埋まった。
「わー、雑鬼だけじゃなくて本にまで潰されるとは・・・哀れ。」
「ま、昌浩、大丈夫!?」
俺と彰子で本の中から昌浩を発掘。当の本人は何が起きたのか分かっていない顔でほけっと倒れたまま天井を見詰めている。
その間も清明様の嫌味攻撃は止まらない。しかしそれに対抗する気力はもう昌浩にはないらしく、ぼーっとしていると朱雀に抱えられて部屋に連れ去られていった。
「・・・申し訳ありません。俺の失態です。」
「いやいや。様のせいではありませんよ。大丈夫ですから、今日はあれについていてやってください。」
「はい。失礼いたします。」
ちょっとだけ責任を感じながら、俺は清明様の部屋を後にした。
本当にタモさんとか思った(笑)。
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