天使の子守唄 六花に抱かれて眠れact13
昌浩は物忌みが明けたので、陰陽寮へ出仕した。
ぶっ倒れて朱雀に部屋まで強制連行されたあとは、彰子がちゃんとそばにいてあげているのを確認して俺は屋根の上でひなたぼっこ。だってここ気持いいんだもん(笑)。たまに青龍がいてまじビビリますが(苦笑)。
そしてその日、昌浩が帰ってくるだろう時間。
「・・・なーんか嫌な気配がする。」
「あぁ、こないだ、ナメクジ退治したあたりだな。」
「行こう、すーちゃん。」
俺とすーちゃんは屋根から飛び降りるとあの、ナメクジ出没ポイントへと駆け出した。
「昌浩!」
ナメクジ出没ポイント(朱雀大路と言うらしい。すーちゃんに聞いた)につくと、昌浩が風音に押し倒されてる。アレが・・・多分こないだ清明様を襲ったって言う・・・風音。
「・・・もっくん・・・。」
「・・・余所見をしているなんて、大した余裕ね。」
風音の手もとを見ると鋭い刀。それを昌浩の首に押し当てている。少しでも動かせば、喉笛を掻き切られる。
「駄目・・・!」
瞬間、見えない刃が俺ともっくん、すーちゃんの周りを襲う。
「かはぁっ!」
不意をつかれたため、魔法で防御することも出来なくてもろに攻撃を食らってしまった。その間にも昌浩は殺される一歩手前。
「さぁ、そろそろ終わりにしましょう。私、早く帰ってお許しをもらわなければならないの。」
―誰に―そう思った瞬間、
「――――――!」
もっくんの闘気が爆発した。本性に戻らず、物の怪のもっくんの姿のまま。昌浩に覆いかぶさっていた風音の体はもっくんの闘気の波動で吹き飛ばされる。
「神将・・・騰蛇・・・!さすが、ほかの十二神将とは、負っているものが違う・・・。」
苦々しげに風音が呟くと同時に向こうの方から人が来る気配がする。その気配を感じ取ると風音は忌々しげにしたうちをすると、持っていた刀をしまい、闇の中へ消えて行った。と同時に術でもかけられていたのか、昌浩は地面に大の字になって転がる。もっくんの闘気も瞬時に収まった。
「昌浩・・・!大丈夫?」
「うん・・・。」
昌浩の隣に駆け寄り、体を持ち上げると同時に人が駆け寄ってくる。・・・げ。とっしーかよ。
なんか俺のことを見て一瞬驚いた顔をしたが、俺の腕の中でぐったりとしている昌浩に詰め寄る。昌浩は知らない、分からないの一点張りで押し通そうとする。まぁ、それが一番妥当だろう。
昌浩が口を割らないのに業を煮やしたのかとっしーは俺の方に照準を合わせてきやがった。
「・・・あなたも、何も分からない、知らないと仰るのですか。」
「・・・はい。昌浩様がお答えになられないものを私が申し上げることは出来ません。」
うー・・・なれない敬語は舌をかみそうです!!(泣)。
俺がそういうと、とりえ合えずとっしーは引き下がってくれたらしく、大きく溜息をついて俺たちから離れる。
昌浩もなんとか立ち上がれるようになったので、手を貸して立ち上がらせると、とっしーに一礼して、その場を離れる。とっしーの視線がそりゃぁもう、痛かったです(泣)。
いろいろと無茶振り設定なのはスルーしてくれると嬉しいな!(黙れ)。
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