天使の子守唄 六花に抱かれて眠れact17

高淤の神様がいなくなると、不意にもっくんの顔が険しくなる。そしてぽつり、ぽつりと語り始めた。

曰く。騰蛇こと紅蓮は、清明様を殺しかけた、と。生きていることが不思議なくらいの重傷を負わせた。
・・・あー・・・だから青龍とか青龍とか青龍とかに目の敵にされてるのかー(そこか)。
「そっか。もっくんは、それでずうっと痛い思いをしてたんだ。」
少し鈍い動きで昌浩はもっくんの頭をぐしゃぐしゃとかき回す。
「じゃあさ、・・・もう、いいよ。終わり。じい様は、生きてるよ。だから、もういいよ。じい様はほら、殺したって死にそうにないくらい、元気だよ・・・もう、いい・・・。・・・苦しんだりしなくても・・・、いいんだ・・・。」
昌浩のその言葉は、言霊となってもっくん―紅蓮―の心に染み渡る。昌浩は本当にいい子だな。もっくんは体力の限界で眠ってしまった昌浩を、泣き出しそうな顔で見詰める。
と、人の気配(?)を感じてそちらに目を向ければ、清明様と六合、玄武、太陰。
「・・・紅蓮、様。」
「清明様。お疲れ様です。」
様も。お疲れのようですな。」
ねぎらわれてしまった(苦笑)。そして清明様は優しい表情でもっくんと言葉を交わし、
「さぁ、帰ろうか。このままここで寝かしていたら風邪を引く。息子夫婦のみならず、彰子姫に泣かれるのは、さすがにごめんこうむりたいよ。」
苦笑する清明様に、全くだと、俺も頷いた。

邸に帰ってくると何故かとっしーが転がっていた。が、先ずは昌浩を寝かせるのが先。とっしーは無視して(え)昌浩を茵に寝かせると、彰子様もほっとしたように息を吐く。
その後は天一が移し身を使おうとして朱雀に止められたり、朱雀の昌浩に対する偏見じみた見解にもっくんが物申したり、玄武による太陰の風の感想に太陰が怒ったり、とりあえず太陰の風でとっしーを強制送還したりとなんかあわただしかった(苦笑)。
「あー、台風一過とうか、なんというか。」
「白虎曰く、嵐を呼ぶ少女だからな。確かに荒っぽい。」
「あー、そんな感じ。喜怒哀楽も激しそうだしねー。」
平和だな。足元に丸くなるすーちゃんを撫でながら、心から、そう思った。
太陰好きです。
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