「くすくすくす。噂には聞いてたけど、おっもしろいなーvv」
因みに俺は塀の上からすーちゃんを抱っこして傍観中。すーちゃんはというと俺の腕の中で盛大な溜息を一つ。
「なー、姫ー。これの守するのかー?大丈夫かー?これー?」
「そうだぞー。姫が守をするならもっと相応しいやつがいるんじゃないのかー?むしろ清明のほうに付いたほうがいいと思うぞー?」
わいわいがやがや。雑鬼たちは昌浩に乗っかったまま塀の上の俺を見上げて言う。
「んー。俺は構わないよ。可愛いじゃんvv昌浩vvそれに天照大御神様の命を無視できると思う?・・・っていうか姫って何さ姫って。」
「天照と月読に力を貰ってスサノオが式神やってるんだ。すげーよ。姫だ。」
「・・・まぁいいけど。」
「・・・誰だ。」
そこでようやく俺の存在に気付いたらしい白い物の怪(もっくんだな)こちらを睨みつけている。
あはは。警戒してる警戒してる(苦笑)。
「失礼。」
塀の上から軽々と飛び降りる。・・・こっち来てから身体能力上がったなぁ・・・。っていうか、月読様の血のおかげかなー・・・。足元にすーちゃんを下ろし、にっこりと笑ってみる。昌浩は・・・あ。まだ潰れてる(苦笑)。
「天照大御神により、安倍昌浩様の守をせよとの命を受けました。よろしくお願いいたします。」
『天照大御神?!』
おお、いい反応ーvvぐっじょぶ♪
雑鬼たちは昌浩の上から退くと、俺の足元にわらわらと集まってくる。うーん、やっぱ可愛いなーvv
「そーだぞ!姫は凄いんだぞ!!孫なんかに仕えるなんてもったいない!!」
「そーだそーだ!姫に仕えてもらえるの、ありがたく思えよ!」
「早く姫が仕えるのに相応しくなれよ!『孫!』
「孫言うな!」
雑鬼たちの大合唱と昌浩のいつもの突っ込み。うん。いい感じ。コレが無いと昌浩じゃないね!(笑)。
「で、すーちゃん、この後どーすんの?」
「すーちゃん言うな。ま、今日は挨拶だけでいいんじゃねー?また明るい時に改めて挨拶すればいいと思うぞ。」
「ん。そだね。」
「・・・物の怪?」
俺の足元のすーちゃんを指差して昌浩がポツリと呟く。こらこら。人を指差しちゃいけませんって教わらなかったかなー?(笑)。
「ご紹介が遅れました。こちら、スサノオ尊もといすーちゃんです。」
「すーちゃん言うな。」
『スサノオ尊!?』
うん。再びいい反応をありがとうv面白いなー、本当に。
「ということなので、今日は失礼させていただきまーす。・・・雑鬼たちはどうするー?」
『姫が戻るなら俺たちも帰る!』
「うし。じゃーねー♪」
雑鬼の大合唱に頷いて、俺は翼を広げる。後で昌浩ともっくんがビックリする気配がするけど気にしなーい(笑)。すーちゃんを抱き上げるとそのまま空に飛び上がる。雑鬼たちはその後をぴょんぴょんと付いてくる。あーもう!可愛すぎる!!(悶)。
そんな事を考えながら、俺はまだ慣れない翼を一生懸命動かしながらあばら家に戻った。