次の日。俺は安倍清明の屋敷へ行くことになった。
そんなわけで、俺は今清明邸に向って歩いています。腕の中には例のごとくすーちゃん。頭の上に案内役の雑鬼を一匹(明るい間でも行動が出来るやつに頼んだ)。
「・・・視線が痛い・・・。」
「まぁ、普通の女の子がそんな恰好でであるかねぇからな。」
「でもこの恰好動きやすいんだよね。」
「姫はその恰好が似合ってるよ!!」
「うん。ありがと。」
などとチクチクと刺さる視線を受けつつ、雑鬼の案内で安倍清明邸へと歩を進める。
そして、
「・・・でっけぇ・・・。」
「こんなんで驚いてたら内裏なんかどうなることやら・・・。」
「分かってるけどさ。俺がいた世界の常識的な広さからすると物凄いわけでさ。」
一般庶民の家は戸建でももっと狭い。今じゃマンションが多いからもっと狭いかもしれない。ついでに言うとこんなに広い庭なんて普通の家にはない。
「っていうか・・・どうやって入ろう・・・。」
一番の問題はそこだと思う。
一方、安倍清明。
もちろん昨日の昌浩の遭遇劇はしっかりちゃっかり式で見ていた。そして、今現在。屋敷の前でどうしようと悩んでいる少女の姿もしっかり認識中。
「ふ。面白くなってきたの。天一、客じゃ。迎えに出るぞ。」
清明は誰もいない空間、否、隠形していた天一に声をかけると立ち上がり、門へと歩き出す。
その表情は相変わらず、何を考えているのかわからない笑みを浮かべていた。