天使の子守唄 焔の刀を研ぎ澄ませact7
洞穴の中を奥へ奥へと駆ける。
清明様曰く、千引磐は二つあり、一つ目の磐を守るのが、道反の巫女の役割。そこは、巫女の力でしか開かない。だから、宗主は風音を連れ戻したのだろう。そして、二つ目の磐。そこは神の力でしか開かない。そのために、紅蓮を、生贄に、磐を開くつもりだろう。卑怯だ・・・!
分かれ道になるたび、瘴気の風が強く吹き出しているほうを選び走る。そして、部屋一面化け物だらけの部屋に辿り着いた。そこに立つ人物に、清明様の顔色が変る。
「ャ斎・・・!?」
「そうよ!智鋪の宮司が憑依してる、ャ斎の骸!これが、智鋪の宗主!」
太陰はびしぃ!と効果音がつきそうな勢いで智鋪の宗主と呼んだ人物を指差す。立ち上がった宗主の後ろには大きな巌。
「聖域につながる扉か。」
青龍が殺気むき出しに呟く。そんな青龍を気にも留めず、宗主はうっすらと嘲笑う。
「お前たちが来るだろうことはわかっていたからな・・・。騰蛇は既に封印に向かった。そのまま扉を開いておくほど愚かではない。」
「ばらば。」
青龍が大鎌を顕現させる。それを合図に俺も斬魄刀を顕現させる。隣では勾陳が筆架叉を構える。
「・・・こんな狭いとこであんなでかい鎌振り回したらえらいことになると思うんだけどなぁ・・・。」
「・・・それを青龍に言ったら殺されるぞ?」
「・・・知ってる。」
目の前の敵に意識を集中させながらそう呟けば、聞こえていたのか勾陳が答えてくれる。言わないよー。怖いもん。
「清明。」
「扉を破ります!」
「させると思うたか!」
俺と勾陳の声を合図に妖怪大戦争勃発(え)。向こうじゃ太陰がもっそい悲鳴を上げてる。・・・まぁね・・・気持悪いもんね。そんな感じに化け物を粉砕し、磐へと辿り着く。斬魄刀を死神の鎌に切り替え、思いっきりたたきつける。磐にヒビが入ったところに勾陳と青龍の攻撃。衝撃に耐え切れなくなった磐は崩壊し、その勢いでさらに化け物たちが躍り出る。
「五十年あまり、瘴気の中に浸っていた化け物どもか。・・・おぞましい。」
出てきた化け物を青龍が切り捨てる。勾陳もそれに倣い、俺も鎌をまた斬魄刀に持ち替え、襲ってくる化け物を切り捨てる。
「清明様!昌浩!急いで!!」
後を振り返らずに叫ぶ。しばらくおいて。
「勾陳、宵藍。」
清明様の声が響く。
「これを、最後の封印へ導け!」
昌浩の背を押して先へ促す。
「様も、昌浩のこと、よろしくお願いします。」
「わかっています。」
「・・・昌浩よ、行くぞ。」
「う、うん。」
「黒耀!俺たちも行くよ!」
「わかっている!」
清明様の隣で昌浩を守っていた黒耀も、駆け出そうとする。一度、昌浩は足を止めるが、清明様に促され、走り出す。
「邪魔だ!」
白虎が放った風で化け物を一掃し、出来た道を俺たちは駆け抜けた。
どうやったらギャグにできるかしか考えてない←
back