天使の子守唄 プロローグact7
ギギ・・・
「ほえ?」
とりあえず雑鬼はお礼を言って戻らせ、門の前でどーしよー?と首をひねっていると門が開いた。
「あ。」
「ようこそいらっしゃいました、天照大御神様の使者様。そしてスサノオ尊様。さぁ、中へどうぞ。」
中から出てきたのは安倍清明と・・・十二神将かな?全員は把握してないんだよねー(苦笑)。
「どうしました?さぁ、中へ。」
考えてると更ににっこり笑って門の中へ誘ってくる。
「なにぼへっとしてるんだ。行け。」
「あ、うん。はい。」
すーちゃんにぺしぺしと肉球で叩かれてちょっと飛んでいた意識を戻し、清明と共に屋敷の中へと入った。
で・・・ものっそい視線が痛いんですけどー!!
俺は今清明の部屋に通され、清明と向かい合っております。
周りには隠形している十二神将の気配がずらーっと・・・その視線がめちゃくちゃ痛いんですけど・・・!もう針のようにちくちくちく・・・(エンドレス)。居心地悪いなぁ・・・。あ、でも二人足りない・・・そうか。騰蛇と六合は昌浩についてってるのか。因みにすーちゃんは俺の隣にお座り。もち、ばりばりに警戒心むき出し(苦笑)。
「・・・で、俺をここに招いたってことは、昨日の昌浩とのやり取りは見てたって事でいいんですよね。」
いい加減視線に耐え切れなくなった俺は、重い口を開いた。あぁ、もういや・・・!
「ええ。会話も聞かせていただきました。あなた様が天照大御神様の命を受けていること、そして、そちらがスサノオ尊様だということも。」
その言葉に周りの視線が一瞬こわばる。・・・すーちゃんがスサノオ尊っていうのにビックリしたらしい。
「そんなら話は早い。俺の名は。俺は昌浩の剣となり、盾となる。そのときはなんかもう、痛いくらいの視線をよこしてくれちゃってる方々とも顔合わせるかもしれないので挨拶に来ました。そこんとこよろしく。あ、でも十人しかいないからあと二人足りないよね。十二神将だから。」
そういって周りを見回せば、あちこちで息を飲むような気配。そんなに驚くことかなー?
「そうですか。そういうことでしたら、よろしくお願いします。」
「はい。では、俺は失礼します。すーちゃん行こう。」
「だからすーちゃん言うな。」
「ちょっとお待ち下さい。」
立ち上がり、すーちゃんと共に屋敷を後にしようとすると、清明様に呼び止められた。うぅぅ・・・視線が痛いから早く雑鬼たちに癒されたいんですけど・・・!
「殿のお住まいはどちらかな?」
「ふえ?あぁ、住まいって言うか、雑鬼たちがねぐらにしてるあばら家で寝泊りを。なんか月読様に(無理矢理)神の眷属にされちゃったんで、食事とかいらないし。雨風しのげて、睡眠が取れればいいんでー・・・「では、我が家で暮らしても問題はありませんね?」は?」
わんもあぷりーず?
「清明。俺は反対だぞ。こんなわけの分からんやつを此処に置くのは。」
「コレでもお前は俺たちを『わけのわからんヤツ』と言うか?」
速攻で姿を現した眉間に皺を寄せた青いお兄さんの言葉にすーちゃんは言うが早いか本性に戻る。同時に神気解放。・・・痛い・・・神気が痛い・・・。強すぎるぅ・・・。
「・・・黒耀。神気が痛い・・・。」
「悪いな。」
そういってちょっとだけ神気を弱めてくれた。・・・ちょっとだけね(苦笑)。
「これ、青龍。申し訳ありません、スサノオ尊殿。」
青龍と呼ばれた十二神将のお兄さんは相変わらず眉間に皺を寄せたままこちらを睨んでいる。
というか、黒耀とにらめっこ中(苦笑)。
「ふん・・・清明の邪魔になるようなら速攻で消してくれる。」
黒耀とにらめっこしたまま青龍が俺を一瞥してくる。ひぃん!怖いよぉ(泣)。
「ふーん。姉上と兄上が力を与えたこいつをそう簡単に消せるかな?」
「黒耀!!?」
青龍に黒耀が答える。ってかなんで黒耀が応えるんだよー(汗)。
「なんなら戦ってみるか?」
「・・・上等だ。」
「うぇええええええ!?」
・・・と言うわけで。本人の意見全く持って無視で俺は十二神将が一人、青龍とバトることになってしまいましたぁ・・・わぁん!黒耀のばかぁ!(号泣)。