天使の子守唄 プロローグact9
「つーわけで。今日からお世話になります。とすーちゃんです。よろしくお願いします。」
「すーちゃん言うな。」
バトルが一通り終り、太陰と勾姐さんに認められると、周りの神将の雰囲気も何となく緩和。
太陰にとりあえず離れてもらい、俺はすーちゃんと共にその場にいた面々に改めて挨拶をする。
最後にすーちゃんが突っ込みを入れるのも忘れない(苦笑)。
「(無視)天照大御神様の命により、昌浩の助力となるべく、異世界より召還されましたー。ついでにもって俺月読命様により半神にされちゃったみたいです。はい。因みにすーちゃんはスサノオ尊様でーす。」
いろいろとゲロってみるとまた皆さん固まっちゃったよー。面白いなーこの反応(え)。
「ほれ、昌浩。お前が一番世話になるのだからな。ちゃんと挨拶せんか。」
ほけほけと何考えてんだかわかんない笑みで清明様が言えば昌浩は慌てたように座りなおし、こちらに向き直る。
「えっと、安倍昌浩です。よ、よろしくお願いします!ほら!もっくんも!」
「・・・なんで俺が・・・。」
「だって、俺を助けてくれるってことは、もっくんも一緒に妖とか怨霊とかの調服するってことだよ。神将の中では一番お世話になるかもしれないんだから。ほら!」
昌浩はもっくんの頭をぐりぐりと床に押し付けている(笑)。
それを隣で彰子様がおかしそうに眺めている。昌浩のお父様はちょっとはらはらした表情をしている(笑)。
「あはは。いいよ、昌浩。こっちが勝手によろしくしとくからさ!」
そういって俺ももっくんの頭をぐりぐりと撫でておく(笑)。すーちゃんより手触りがいいなぁ・・・。うん。
そのあと、他の十二神将、昌浩のお父様、彰子様、お茶を運んできた昌浩のお母様、最後に清明様から改めてご挨拶を受けた。
これで、とりあえず俺は安倍家の一員になったということで、いいのだろうか?
挨拶も済んで、俺は昌浩の部屋にいる。露樹様(昌浩のお母様)と彰子様は俺が使う部屋を掃除してくると行ってしまったし、十二神将たちも騰蛇を除いて全員異界に戻ったか、清明様の下にいる。
「んでさ。昌浩。今日も雑鬼に潰されに行くの?」
「・・・別に潰されに行ってるわけじゃないんだけどな・・・。」
「だって、昨日の潰れっぷりは見事なもんだったよぉ?」
ケラケラと笑って言えば、昌浩は頬を膨らませて拗ねたような顔をする。・・・可愛いなぁ・・・。あ、因みにすーちゃんはもう少し清明様と話をするとか言って清明様の部屋にいます。
「な、もっくんもそう思うだろー?」
「ま、そうだな。陰陽師たるもの。アレくらい察知して、除けられるようにならないとなぁ。って、お前までもっくん言うな。」
うんうんと物の怪姿で頷きつつ、突っ込みも忘れないもっくん(笑)。いいね。この二人のコンビは好きだなぁ・・・。
「ま、今日から昌浩の夜警には俺も付いていくからな。昌浩についていけば雑鬼たちにも会えるし。あいつらには世話になったしな。」
よろしく!といえば昌浩もよろしくと返してくれる。
昌浩と(無理矢理)もっくんと握手を交わし、俺は今日からここで生活することになった。