幸福の欠片〜act11〜

昼休み。僕はが一緒にお昼を食べようというので、のいる教室へと彼女を迎えに行きました。
「おい。」
教室の前でつんつん頭の背の高い男の子に呼び止められました。なぜだか知りませんが物凄く殺気じみたオーラを出しています。
「えーと、なにかご用でしょうか。」
「それはこっちの台詞だぜ。お前こそここに何のようだ。」
「僕はこのクラスの水無月に用があるだけですが。」
「!てめぇ…!いじめの首謀者がいけしゃあしゃあと…!」
…あぁそういうことですか…。ということは…この人は調書にあったあるテニス部の人ですね。ある意味すごいですね。一日ですよ。
そんなこんなで教室前でにらみ合い(向こうが一方的に睨んでいるだけですが)をしていると
「あ、だ!」
が弁当箱だと思われる包みを抱えて此方へ向かってきます。
「あれ?どうしたの?」
「いやどうもしないよ。さ、お昼食べに行こう。どこに行く?」
「えーとね、今だったら校舎裏が木陰になってて気持ちいいよ。」
「じゃぁそこに行こうか。」
「ちょっと待て。」
僕たちが存在を無視していた男の子が歩きだそうとするの腕を掴んで引き留める。
「…何?桃城君。」
はあからさまに嫌そうな声で応じます。
「なんでそんなやつと一緒にいるんだよ!こいつがお前を酷い目に遭わせてた首謀者なんだろ!」
「何言ってんのよ。あたしが傷だらけでいても助けてもくれなかったくせに。菊丸先輩と一緒にあたしをお手伝いロボットみたいにしか思ってない人がよく言うわ。」
…この人のことそんな風に扱ってたんですか…。
思わず殺気を漏らします。
「そ…それとこれとは…!」
「同じことよ。それには昨日転校してきたばかりなのよ。首謀者なわけないじゃない。あ、早くしないとお昼休み終わっちゃう!早く行こう!!」
「あぁ。」
「ちょ!」
桃城君の制止を振り切るように僕とはお昼を食べるために足早に移動しました。
桃ちゃんがあんまりいい人ではないです(苦笑)。
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