幸福の欠片〜act7〜
気が付くと辺りはもう暗くなっていました。
「?大丈夫?」
そう声をかければは涙に濡れた顔を上げてにっこりと笑います。
「うん。大丈夫。ありがとう。…あ…でも部活…さぼっちゃった…。」
「仕方ないよ。それより今日はもう帰ろう。送ってくから。」
幼い頃そうしていたように僕はの頭をくしゃっと撫でます。
「…むーあたしもうそんな子供じゃないー。」
むくれるに僕は微笑みかけて
「ふふ。さ、帰ろう。」
「…うん。」
まだ納得していない顔をしながらは放り出されていた鞄を持ち上げます。
「さ、行くよ。」
「うん!」
僕がの手を繋ぐと嬉しそうに笑顔を輝かせます。そんなところは幼い頃と変わらないなと思いながら僕たちは帰路に付いました。
背中に、悪意のこもった視線を感じながら―。