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幸福の欠片~act14~
「ところでさ、」
「何でしょう。」
「向こうでなんか不安そうな顔でこっち見てる子は柳清さんのお友達?」
「あ。」
言われて思い出しました。昴がいたんでした。
「あ、はい。そうです。昴!おいで!」
そう言って呼べばご主人様に呼ばれた犬のごとくしっぽを振りそうな勢いで嬉しそうに駈けてきます。
「上総ぁ~。」
「あ~はい。よしよし。」
不安だったよぉと抱きついてくる昴の頭を撫でてやります。
「ほら。おまえが会ってみたいって言ってたボスの沢田綱吉様。で部下のお二人。」
そう紹介すると沢田様物凄い勢いで首を振って
「そんな、様なんて付けないでよ。同い年でしょ。ツナでいいよ。それにこの二人は部下なんかじゃなくて友達だよ!」
「へー。凄いねー。あたしは昴の幼なじみで水無月昴って言います!一応マフィアとかのことは分かってるつもりだし、将来はヴァリアーに就職するつもりです!よろしくお願いします!」
ぺこりと頭を下げる昴にちょっと驚いたような顔をします。
「…度胸あるね…。」
「小さい頃から一緒ですから。」
昴はやっぱりにこにこと答えます。やっばり大物ですね。昴は。
「とりあえず今日はご挨拶だけですが。今後ともご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。」
「よろしくお願いしまーす。」
挨拶をして僕たちはその場を後にしました。
「優しそうなこだったね。」
「うん。そうだね。」
にこにこしながら素直に感想を述べる昴。
夕暮れの中そんな昴と肩を並べて、僕らは帰路に付いた。後ろからの刺すような視線に気づかない振りをしながら。
なんつーか、こっちは割と友好的。
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