幸福の欠片〜act16〜
次の日。昨日と同じようにを迎えに行き、学校へ向かいます。
昨日と同じことを繰り返さないために僕も学校に着くと新しく買った上履きにはきかえ、履いてきた靴は鞄にしまう。
…後ろの方で「ちっ。」という舌打ちが聞こえたような気がしたが気のせいということにしておきましょう。
そして教室にはいると、一斉に話し声が消えました。
何事かと思いながら机に向かうと
「うっわぁ…。」
僕の机はズタズタに斬り裂かれています。ご丁寧にカッターやら彫刻刀が突き刺さったままですよ。
…とりあえずまた写メっときましょう。
パシャ
呑気に写メを撮っている僕にあきらかにもの珍しそうな視線が降り注ぎます。
いやこんなことぐらいじゃへこたれませんから。でもこれじゃ授業受けられませんね。
「おい。」
「うぇ?」
とりあえず職員室行ってこようかと考えていると隣の席の海堂君が声をかけてきました。
「どした?」
「お前…あれ読んでみろ。」
「は?」
海堂君が指さす先ー黒板に視線を移す。そこには…
『
はマフィアの殺し屋 近づくと殺される』
なぁんてことがでかでかと赤いチョークで書かれていました。
「わぁお。」
とりあえず写メです。
パシャ
「お前…。」
「ん?」
そんな僕に海堂君は盛大なため息をついてくれます。
「お前…あんなの書かれて平気なのか?」
「あぁ。平気です。別に。あんなことしか出来ない奴なんか僕は気にしません。」
平然と言ってのける僕に海堂君は珍しい物を見るような視線を向けます。
「ま、取り合えずこのままじゃ授業受けられませんし。机ってどこ行けば有ります?」
「あぁ。それなら用務員室に行けば用務員の人が用意してくれるだろ。」
「ありがとーございます。」
そう言って僕はズタズタの机を持ち上げると
「うりゃ。」
開いていた窓から投げ捨てました。下の方から机が壊れた音がしました。
「…お前…。」
「邪魔ですから。」
「だからって投げ捨てるな。」
「大丈夫です。ちゃんとゴミ捨て場持って行きますから。んじゃ行ってきます。あ、黒板消しといた方がいいですよ。」
僕は好奇の目に晒されながら新しい机を貰いに行きました。