幸福の欠片〜act22〜

「…と言うことなので、失礼します。」
「失礼しまーす。」
スクアーロが屋上からでていったのを確認すると、僕とは今の今まで忘れ去られていたテニス部の皆さんにお辞儀をして出ていこうとしました。
「ちょっと待てよ!」
…またですか…。桃城君に呼び止められてうんざりしたように振り向く。
「まだなんかご用ですか?」
「お前が居なくなるのは勝手だ!なんでまで転校する話になってんだ!」
「そうにゃ!そうにゃ!」
菊丸先輩も便乗して抗議しています。…あぁ、うるさいです。
「…あなた達、人の話聞いてなかったんですか?別に僕が連れていくわけではありません。が僕に付いてきたいと言っているんです。僕はそれを止める理由はありませんから。」
「そんなこと!」
「そうです。あたしはあたしが好きでと一緒にいたいから付いていくんです!」
も僕と一緒になって抗議します。僕達に睨まれ、二人は少々たじろぐ。
「ふ…不二ぃ〜、なんとか言ってやってにゃ〜!」
「なんとか。」
ぶ!な…ナイスです!この人!
菊丸先輩は半分泣きながら不二(多分)先輩にすがりついています。桃城君はもう半分魂抜けたみたいになってますし。
「いいんじゃない?ちゃんが行きたいなら僕らが無理矢理引き留めることもないと思うよ?」
って言うか言わせないよ?とバックに書いてありそうなオーラを菊丸先輩に向ける不二先輩。物わかりのいいかたは好きです。
「ありがとうございます。えーと、不二先輩?」
「うん、こっちこそごめんね。うちの馬鹿猫がギャーギャー喚いて。」
そう言いながら不二先輩は菊丸先輩の首根っこを掴んでいます。
「いえ。では僕らはいい加減失礼します。」
「失礼しまーす。」
ようやく僕らはテニス部面々から解放され帰路へ付きました。
他のレギュラーは幼馴染ちゃんの好きにさせてあげようとしています。
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