それは単なるきっかけだった・・・?!〜act1〜
それはあたしが入学ほやほやの一年生のとき。何回目かの体育の授業。その日の授業はテニス。誰でもいいから二人組みになって簡単な試合なりラリーなりをすること。
あたしは入学したときに友達になった如月と組んで試合をすることにした。
事前の授業でテニスのルールなんかは簡単に教わったし、はテニス経験者だというし。
「うし。じゃーやりますか!」
「サーブでいいよー。」
「了解ー。じゃぁいっきまーす!」
スパン!
気持ちのいい音を立ててボールは相手コートへと飛んでいった。
その様子を二年の教室から跡部景吾、忍足侑士はおもしろいおもちゃを見つけた子供のような表情で見ていた。
そしてもう一人、テニス部顧問榊太郎(43)も、その様子を興味深そうにみていた。
―時は流れて昼休み―
あたしとはお弁当を広げようとしていた。すると、ブッという放送のスイッチが入る音がして、
『一年B組 さん、一年B組 さん、至急音楽準備室まで来てください。繰り返します・・・、』
音楽準備室・・・?そんなところに呼び出される憶えはあたしにはない。ブッという放送のスイッチが切れる音を聞きつつ、首をかしげる。
「ー。あんたなんかしたの?」
「・・・身に覚えはない・・・ぞ?」
「何その疑問符は。」
に突っ込まれながらうーんと少しうなりながら考える。・・・やっぱ憶えはないぞ・・・?
「とりあえず行っといで。行かなかったら行かなかったでまた呼び出し食らうでしょ。」
「うん。そーする。あ、お弁当食べちゃってて。」
「あーそのつもりー。行ってらっしゃーい。」
「いってきまーす。」
に見送られて音楽準備室に向かう。
・・・本当、なんなんだろう。