それは単なるきっかけだった・・・?!〜act4〜
放課後。首をコキコキと鳴らしながら帰り支度をする。今日の晩御飯何にしようかなー。昨日はカレーだったしー、一昨日はハンバーグ・・・その前は麻婆豆腐だしー・・・そろそろ和食系がいいかな。帰りにスーパー寄ってかなきゃ。
なんて考えてたらなんか教室の入り口辺りが騒がしい。そっちに視線をやると、人ごみの中に、やたらと顔の整った男子生徒二人。どーしたんだろう?と首を傾げてたらなぜか目があった。・・・やな予感。
すると二人は人ごみを掻き分けてあたしの席(窓際の一番後ろ)までやってきた。
なんか・・・やな予感が的中しそう・・・。
「ってお前だな。」
泣きぼくろが言う。
「・・・はぁ、まぁそうです。」
「男子テニス部のマネージャーをやれ。
「はぁ?」
・・・空耳だよね?
「今何て言いましたー?」
「だから、男子テニス部のマネージャーをやってほしいんよ。」
眼鏡が言う。
「・・・昼休みに顧問らしき先生からも言われました。ちゃんとお断りしたはずです。つか、あーた達誰?」
あたしが聞くと、あからさまに泣きぼくろはショックを受けた顔をしている。眼鏡はなぜか爆笑。
「・・・お前・・・俺様を知らないのか?」
「知りません。テニス部云々ってことはテニス部員ですか?あたしの知り合いに俺様泣きぼくろはいませんから。」
「・・・まぁいい。俺様はテニス部二年跡部景吾だ。」
「同じく二年忍足侑士や。よろしゅうな。」
「はぁ、それはどうも。」
「お前俺様たちのこと先輩だと思ってないだろう。」
ええ。当たり前じゃないですかー。何が悲しゅうて俺様泣きぼくろと眼鏡の関西弁に頭さげにゃならんのですかー。
「まーそれは置いといて。ちゃん、マネージャーやってくれへんかなぁ。俺ら太郎ちゃんに頼まれてん。」
「太郎ちゃん?」
「榊太郎(43)。スーツにオールバックのテニス部顧問に見えないテニス部顧問や。」
・・・あー・・・あのエセ教師かー・・・。やっぱり顧問だったんだ。
「だからお断りしました。とにかく。あたしは急いでるんです。失礼します。」
「逃がさねぇ。」
ガシ
「ほんま、悪いとは思うとるんで?」
ガシ
「は?」
両脇から腕を掴まれました。
「え!?ちょ!!離して下さい!」
「マネージャーをやるといえば離してやる。」
「嫌です!」
「じゃぁ、離されへんなぁ。」
こいつら・・・!!ギャラリーはなんか野次馬根性丸出しな目でこっち見てるし!・・・もその中の一人だっていうのが悲しいわ!ちくしょう!助けろよ!
「さ、行こかー。」
引きずられるようにして入り口まで連行される。えーい!こうなったら最後の手段!
「すいません!」
ごす
「「う!」」
「!鞄パス!」
「はいよ!」
両脇からつかまれている腕を思いっきり振りほどき、鳩尾に肘鉄を一発。に声をかけて机の上に帰り支度を済ませてあった鞄を投げてもらう。
「あたしはぜーったいマネージャーなんかやりませんからー!!」
そう叫んで人ごみを掻き分けてダッシュ!
「・・・っく!絶対諦めねぇ!」
背後でそんな叫び声が聞こえたけど無視!さっさとあきらめてください!
それからと言うもの、放課後になると毎日跡部先輩と忍足先輩がやってくるようになった。もちろん目的はあたしの捕獲。
おかげで跡部先輩&忍足先輩v.sあたしの鬼ごっこが放課後の日課となりました。
・・・あたしの平和な日常を返して!
毎日の日課は鬼ごっこな主人公ちゃん。
普通はそんなこいないよね(笑)。
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