幸福の欠片〜act26〜
本当、最後の最後までなんなんですか。まったく。
「まだ何か用ですか?先輩。」
僕が口を開くより早くが睨みつけるような視線を向けて口を開いた。
「!そんな奴に付いていったら殺されちゃうにゃ!戻ってくるにゃ!」
「そうだぜ!そんなマフィアの殺し屋のとこなんかに付いてくんじゃ「を悪く言わないで下さい!」
桃城君の言葉が終わらないうちにが桃城君に向かって叫びます。
「は小さい頃からずっとあたしのこと守ってくれて、離れている間もずっとあたしのこと心配してくれてたんです!それに、転校初日にあたしのこと探してくれて、助けてくれたんです!と一緒にいると危険なことくらいわかってます。それでもあたしはと一緒にいたい!だからあたしはについていくんです!」
はっきりとした意思表明。これにはもう誰もなにも言えません。しばしの沈黙がその場を支配します。
「。おまえはいい友達を持ったようだな。」
校門の向こうからやって来る人影に僕は幻を見ているような気になってしまいます。
「XANXAS様…。」
僕が心からお慕いする大切な人。
「おら。マンション見に行くぞ。一応おまえ等の好みもきいとかねぇとな。」
「あぁ、それはありがとうございます。」
「…なんだよそのありがたみの欠片もねぇ返事は。」
「気のせいです。」
そんな僕たちのやりとりをはくすくすと笑いながら眺め、テニス部の方々(主に桃城君と菊丸先輩)は少々びくついたように眺めています。
「とにかく。」
XANXAS様の声に僕は背筋が伸びます。も真剣な顔になり、テニス部の方々は…あー固まっちゃってます。
「こいつらは連れていくからな。わかったらさっさとそこどきやがれ!」
XANXAS様に一喝されて、テニス部の方々は一斉に校門の前から退きます。さすがXANXAS様。素晴らしいです。
「おら、行くぞ。」
XANXAS様が歩きだし、スクアーロに促され、僕とは歩き出します。…最後に桃城君と菊丸先輩に向かってが「あっかんべー!」とやっていたのは黙っておきましょう。