幸福の欠片〜act27〜
「…。」
「はい。なんでしょうXANXAS様。」
「話がある。」
引っ越し先を見た帰り。急にかけられたXANXAS様からの言葉にしばし固まってしまいました。
「スクアーロ、そいつ家に送ってやれ。」
そう言ってを示すXANXAS様。XANXAS様のご命令には逆らえません。
「…のこと襲ったりしたらただじゃおきませんよ。」
「襲わねぇよ。」
信用できません。
「、何かされそうになったら殴りとばしていいから。」
「うん!」
「うぉ゛ぃ!」
スクアーロの抗議も虚しくは元気よくかけていきます。スクアーロも仕方がないという様子でのあとを追っていきました。…に何かあったらまじでただじゃおきませんから。
そんなことを考えていると
「。」
XANXAS様にお声を掛けられました。
「何でしょうか、XANXAS様。」
XANXAS様に真っ直ぐに見つめられて多分僕は真っ赤になってると思います。
「、俺様の嫁になれ。」
…い…今XANXAS様なんとおっしゃいました?
「…XANXAS様…失礼ですが、頭の方は大丈夫ですか?」
「俺は正常だ。」
即答されてしまいました。
「もう一度しかいわねぇ。俺様の嫁になれ。」
そう言うとXANXAS様はふいっと横を向いてしまいました。…珍しいものを見てしまいました…XANXAS様…耳まで真っ赤です。
「…何が可笑しい。」
そんなXANXAS様におもわずくすくすと笑いがこみ上げてきてしまいました。
「いえ…XANXAS様には申し訳ありませんが…可愛いなと…。」
「お前…喧嘩売ってんのか?」
「いえ。XANXAS様に喧嘩を売ろうだなんて。滅相もありません。」
ぴたりと笑いを止めてまじめに答えます。
「…それで…お前の返事はどうなんだ?」
そう問われて僕は再び顔が赤くなるのを感じました。
「僕…なんかで宜しいのでしょうか…?」
「当たり前だ。お前なら俺様についてこられる。そう思ったからお前を選んだ。」
そう力強く答えてくださったXANXAS様に僕は涙が出そうです。
「ありがとうございます…XANXAS様。歓んでお受けいたします…!」
僕は嬉しくて嬉しくて、思わずXANXAS様に抱きついてしまいました。普段ならおそれおおくて絶対にそんなことしません。
でもこの時だけは。XANXAS様も僕を抱きしめ返してくださいました。
このときは本当に幸せで、涙が止まりませんでした。
そう。この時は。
次の日、最後の対決が待っているということも予想せずに…。