幸福の欠片〜act31〜
と、放り投げてあった荷物を拾い上げ、未だに固まったままの柚葉嬢とその取り巻き(+α)の横を通り過ぎようとすると
「あ、いたいた。さん!水無月さん!」
向こうから手を振ってくるのは…10代目とリボーンさん、そしてその守護者のお二人。
「ご無沙汰しております。10代目。わざわざこんな所までどうなされたのですか?」
僕がいつものように自分の上司に頭を下げると向こうでテニス部の面々が驚く気配がします。…まぁ、無理はありませんが。
そんなことは気にせず、僕は話を続けます。
「何かご用でしたらご連絡頂ければこちらから伺います。今日はどのようなご用で?」
「いや用って程のことじゃないんだ。二人がうちの学校に転校してくるってXANXASさんから聞いたからさ。それに近くにマンション借りて引っ越してくるって言うから、お手伝いできるかなって思って迎えに来たんだ。って言うかそのかしこまった口調止めてくれないかなぁ。なんか変な感じ。同級生なんだし。」
『同級生!?』
向こうで叫び声が響きました。
「同級生ってそいつ…中二なのか?」
「そうですよ。そして我がヴァリアーが仕える世界最大マフィア、ボンゴレファミリーの10代目ボス、沢田綱吉様です。」
信じられないって顔してますね。
「おい。」
「はい。」
そんなことを考えていたらリボーンさんに声をかけられました。
「あそこで固まってんのは神無月組の奴らじゃねぇか。どうしたんだ。」
「いえ、大したことじゃありませんよ。に乱暴しようとしていたので、ちょっとお灸を据えさせていただきました。」
「そうか。程々にしておけよ。」
「はい。」
向こうで聞いているテニス部の方々は、もう話に付いていけないという表情をしています。
「それではそろそろいい加減行きましょうか。、大丈夫?」
「うん、もう大丈夫。」
未だに僕にしがみついているに声をかければ元気な答えが返ってきます。
「だそうなので、お待たせして申し訳ありません10代目。行きましょうか。」
「うん。」
「それでは皆さんごきげんよう。…もう会うことも無いと思いますが。」
「さよーなら!」
テニス部の方々に嫌みを含んだ挨拶をし、僕と、10代目、リボーンさんに守護者のお二人と共に学校を後にする。
「10代目。」
「だからツナでいいよ。」
「…では、ツナ様。」
「…しばらくはそれで我慢するけど…お願いだからツナにして。」
「努力します。」
そんな僕たちの会話を後ろでと雨の守護者の方が笑いをこらえているのがわかります。
「それでツナ様。この度、ヴァリアー日本支部の指揮を任されましたので、何かありましたらお申し付けください。」
「なら、おまえXANXASと婚約したってのも本当か?」
「え!あ!はい///。」
いきなりリボーンさんに話を振られて一気に顔が赤くなるのを感じます。ふ…不意打ちです!
「えー!まじで!」
「え…あ…はい。」
「おめでとう…でいいんだよね。」
「ありがとうございます。ツナ様。」
にっこりと微笑んでくださるツナ様に僕も顔の火照りがさめないまま微笑み返します。
そんな会話をしながら移動していると僕らが新しく住むことになるマンションにつきました。家財道具の基本的なものはすべてもうXANXAS様が揃えてくださっているので僕たちはマンションに入るだけです。
「有難うございました、ツナ様。来週からは並盛中にと一緒に通うことになりますのでよろしくお願いします。」
「お願いしま〜す!」
二人で頭を下げます。
「うん。よろしくね。」
「よろしくな!」
「ふん!10代目には俺がいれば十分だ!」
「ん。」
四人四様な反応を返してくれました。
僕たちは四人と分かれ部屋に入り、とりあえずと食事をとります。
「来週から新しい学校だね。」
「うん。」
「楽しみだね。」
「あぁ。そうだね。」
とても楽しそうなに、僕も楽しくなってきました。
これから新しい生活が始まります。楽しくなるといいです。