My Sweet Lover〜愛しい人〜

「おはよう、十兵衛。」
カーテンを明け、朝の光を入れながら花月は親友―もとい恋人に微笑んだ。
十兵衛はゆっくりと起き上がると、包帯を巻いた目で声のするほうを向いた。
「今日は僕が朝ご飯作ったですよ。早くしないとお味噌汁冷めちゃうよ。」
花月は部屋を出ていった。
十兵衛は先日のIL奪還の際、花月との戦いで現在視力を失っている。
もっとも十兵衛の場合、周りの気配を感じて生活することができるため、 あまり不自由はしていなかったが。
食卓に近づくと白い飯の炊ける香り、味噌汁の香り、煮物の香りなど、
典型的な和朝食―と言われるようなものの香りが漂っていた。
十兵衛が食卓につくと、花月も向かいの席についた。
「いただきます。」
十兵衛は煮物を一口、口へと運んだ。
「う゛・・・。」
「・・・どうかしました?」
十兵衛の顔を花月は心配そうにのぞきこんだ。
「いや・・・なんでもない・・・。心配するな。」
十兵衛はそう言って"花月が作ってくれた"食事を一気にかきこんだ。

「明日からは俺が食事を作る。おまえは何もするな。」
食事の後、食べ終わった食器を片付けながら十兵衛が言った。
「・・・やっぱり・・・まずかったんだ・・・。ごめんなさい・・・ 慣れてないから・・・。」
花月は申し訳なさそうにうつむいた。
「・・・そういうわけではない。 食事を作るくらいで怪我などさせていられないだけだ。」
言われて、花月はあわてて左手を押さえた。
「!」
十兵衛にその押さえた左手を捕まれ、 その反動で花月は十兵衛の胸にすっぽりと収まった。
「じゅ・・・十兵衛?ちょ・・・離してください!」
「やはり、腫れている。」
慣れない料理をした為に、火傷をしてしまっていたが、
手当てをすることを忘れていたので、 火傷の部分が赤く腫れてしまっていたのだった。
「だ・・・大丈夫です!これくらい!お願いだから離してください!!」
赤く腫れた部分を十兵衛に咥えられた花月は思いきり赤面してしまった。
そして十兵衛は花月を抱きしめ、赤面する花月の耳元で囁いた。
「無理をするな・・・。おまえは・・・俺が守る・・・。」
十兵衛の腕の中で花月はうなづき、微笑んだ。
そして二人は甘い口付けをかわした。
fin

はい、らぶらぶです!かづっちゃんと十兵衛は超らぶらぶです!!
あの二人はらぶらぶ街道まっしぐらに突っ走っていただきますよ。
まぁ・・・バカップルとも言いますが・・・。
闇猫の中ではこの二人はバカップルでもなんでもいいから
らぶらぶ街道まっしぐらに突っ走っていただければそれでいいのです!(笑)
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