スイートピーの華を降らせよう

ルルーシュが用意したお茶とお菓子をテーブルに並べる。それを前にした全員の表情は、硬い。

「改めまして。お久しぶりですね、お兄様。」
「あぁ、久しぶりだね、ナナリー。しっかりやっているようで、安心したよ。」
一番最初に口を開いたのはナナリー。少々緊張しつつも、その口調はしっかりとしている。それに応じるルルーシュも、少し強張りながらも笑みを浮かべる。
「それでナナリー。君たちは俺に何の用かな?」
先ほどマオは「三人はルルーシュに危害を加えない、ルルーシュに謝りに来た」と、そう言ったがやはり表情も言葉も硬くなってしまう。なんだか空気が重い。それをぶち破ったのはやっぱりこの人。
可愛い可愛い異母弟に会いに来るのに理由が必要かい?
その異母弟を騎士団使って殺そうとしたのはどこの誰ですか。
「・・・あぁ、そんなこともあったねぇ・・・。」
あったねぇじゃねぇよ。ルルーシュ周辺(ルルーシュではない)からちょっと殺気がもれているのは、まぁ・・・自業自得ということで(え)。
「・・・・・・・・・まぁ、その辺は・・・あんたの話も聞かないで・・・・・・勝手にシュナイゼルの話を鵜呑みにしたあたしたちも・・・悪かった・・・。」
しょぼんと凹んだようにカレンが呟く。
「私も・・・お兄様はずっと私を守ってくださったのに・・・。」
ナナリーの大きく開かれた瞳に涙が浮かぶ。
「っ!ナ、ナナリー、泣かないでくれ・・・俺は別に・・・。」
あわあわと慌てだすルルーシュにC.C.は相変わらずだなと呟く。所詮シスコンは一生直らない。
「私だって別にルルーシュを殺すつもりは無かったんだよ?ただ、ああすれば私のところへ帰ってきてくれると思ったんだよ。さすがに八年も離れているとルルーシュ不足で禁断症状が出そうだったからねぇ・・・。」
なんだそのルルーシュ不足って!禁断症状って!
いろいろと突っ込みを入れたくなったけどまぁそこはスルーの方向で。下手に突っ込みを入れたらなんかおかしな方向に行きそうだったから。
「お兄様、もうだいぶ人々も落ち着いてきました。私たちのところに戻ってきてはいただけないのですか?」
「あ、騎士団の奴らならふん縛ってでも土下座させて謝らせるから大丈夫よ。」
「コーネリアもお前に会いたがっているよ、悪かったと、言っていた。」
いまさら何ほざいてやがる
とはルルーシュの後ろに控える面々の心の声である(え)。
「・・・・・・すまないが、俺は戻る気は無いよ。ここで、静かに暮らさせてくれ。俺は・・・疲れたんだ・・・。」
困ったようにすまなさそうに言われてしまう。
「そーだよ。ルルは僕たちとずーっと一緒にいるんだから!」
「ほわぁ!」
ちょっと空気読もうねー、マオー?
後ろからがばっとマオに抱きつかれて今までのシリアスムードは思いっきり吹っ飛んだ。
「ちょっと!ルルーシュにべたべたくっつかないでよー!!」
「ふんだ!ルルーシュのこと一年前にちゃんと知ってたくせに裏切った奴に言われたくないねー!」
あー・・・なんか始まったよ・・・。カレンとマオの間に火花が見える・・・。つーか・・・なんかもう子供の喧嘩ですか?
「マオ・・・やめろ・・・。カレンも落ち着け・・・。」
「「はい。」」
さすがお母さん(え)。

「とにかく俺は戻る気は無いよ。」
しっかりと宣言されて、これでは無理に戻って来いとはいえない。
「では、たまに遊びに来るのは、いいですか?」
「え、あぁ、それくらいなら・・・。」
「むしろ私もここに一緒に住みたぐはっ!
シュナイゼルがふざけたこと言い出したため、無言でナナリーの肘鉄が入った(え)。ナナリー、君本当にどこにそんな力があったんですか・・・?
「それでは、私たちはそろそろ帰りますね。今度は咲世子さんたちも連れてきます。」
「あぁ、またな。」
「はい。」
そう言って、帰っていく三人の背中を見送るルルーシュの顔は、どこかすっきりしている。それを見て、ルルーシュを見守る五人はこれでよかったと、肩の荷を降ろした。

それから、三日に一回は誰かしらがルルーシュたちの下に遊びに来て、それをルルーシュは幸せそうな顔で、見つめていた。

終 了 。いろいろと無理矢理感満載ですいません、ごめんなさい、申し訳ありません(スライディング土下座)。
とりあえずシュナ様がルルコンで(え)、ナナリーが黒くて、カレンがルルーシュ大好きならいいです(こら)。
ルルーシュが幸せなら何でもいいです(おい)。
最初はマオとかマリアンヌ様とかシャルルのギアスについても説明入れてちょっといじめようかとも思ったんですけど(え)、くどくなるので止めました。
マオは空気読めないんじゃなくて、あえて読まなかっただけ(笑)。
※スイートピーの花言葉→門出、繊細な喜び
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