TURN25『Re:』のバリバリ捏造。
Cルル?初のにょた。めずらしくシリアス(爆)。
それでもいいかたのみれっつごー!















アゲタラムの咲く庭で〜1〜

―ルルーシュの遺体が、消えた―

『悪逆皇帝』と詠われ、英雄”ゼロ”に胸を貫かれ息絶えた世界唯一皇帝ルルーシュ。
その遺体が、安置されていた場所から、忽然と消え去った。
そして、先のシュナイゼルとの戦闘までルルーシュに仕えていた咲世子、ロイド、セシル、ニーナ、そしてジェレミア、アーニャ、C.C.もまた、共に姿を消した。
もちろん、そんなことを公表することは出来ない。ルルーシュの遺体が消えたことは、上層部だけの、極秘事項とされた。

「ルルーシュ、傷の具合はどうだ?」
ベッドから身体を起こし、外の景色を見つめる一人の長い黒髪の少女にC.C.は「ルルーシュ」と呼びかけた。
幼いころから『皇子』として育てられ、その事実を知る者はほとんどいなかった。事実、実妹であるナナリーでさえ、このことは知らない。
今現在の時点でそれを知るのはルルーシュの遺体を秘密裏に運び出し、共に姿を消した面々だけである。
今ルルーシュたちが身を隠しているのは復興を遂げつつある日本の郊外にあるオレンジ農園。そこでジェレミアとアーニャがオレンジ栽培をし、ロイド、セシル、ニーナは相変わらず研究と、ルルーシュの治療、咲世子は家のこと全般、C.C.は相変わらずといったところだろう。
「あぁ、だいぶいいよ。もう少ししたら散歩くらいは出来るんじゃないかな。」
「そうか。ならいい。だが、あまり人目につくようなことはするなよ。お前の顔は割れてるんだからな。」
なんだか犯罪者みたいだなと呟くルルーシュに、実際そうなんじゃないのか?と皮肉るC.C.。
「大丈夫だよ、C.C.。『ルルーシュ』は『男』だったんだ。私は『女』だ。」
癖のない長い髪を揺らして、苦笑する。
「・・・正直、こんな形で本来の性別に戻ることがあるとは思わなかった。」
「そうかもしれないな。」
「あぁ、それに私は・・・『男』としてそのまま死ぬはずだったんだからな。」
そう、ルルーシュは確かに『死んだ』はずだった。しかし、ルルーシュは死んではいなかった。スザクの剣は、わずかに急所をはずしていた。さらに、ギアスの力がコード継承直前まで増幅していたため、急所をはずした傷はわずかずつではあるが回復していた。そして、その身体を運び出されたとき、傷口はほとんどといっていいほど回復していた。そこへさらにロイドとセシル、ニーナにより治療が施され、ルルーシュは蘇生した。
「まったく、ギアスはやはり、厄介なモノだな。」
「それを承知でお前は私と契約したのだろう?」
「その通りだな。」
少し疲れたように苦笑するルルーシュ。
「ほら、もう少し寝ていろ。いくらギアスの力で蘇生が早いからといってもまだ完全ではないんだ。」
「・・・・・・あぁ・・・・・・なぁ・・・C.C.・・・。」
「ん?なんだ?」
「世界は・・・優しくなったか・・・?」
ベットに横たわりながら、訊ねるルルーシュにC.C.は苦笑する。
「お前、目覚めてから毎日訊いているぞ?その質問。」
「・・・そうか?」
自覚はないらしい。きょとんとした顔で首をかしげるルルーシュにC.C.はため息をつきながらもふっと微笑んで答える。
「世界は・・・優しくなったよ。お前のおかげでな。」
「・・・・・・そうか・・・それなら・・・い・・・だ・・・。」
嬉しそうに微笑みながらルルーシュは眠る。その寝顔をC.C.は母親のような表情で見つめる。
「お前はよくやったよ、ルルーシュ。だから今は、ゆっくりお休み。」

―茨の道を、傷だらけになりながら歩いた少女はやっと、安息を手に入れる―

実はルルーシュは生きていたネタ。ありがちな感じですがね。うちのルルーシュはコードは受け継いでないです。
なんかこれ続きそうな終わりかたしたなぁ・・・。要望があれば続くかも(え)。
※アゲタラム(かっこうあざみ)の花言葉→信頼、幸せを得る、安楽
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