続き。スザルルっていうかスザ→ルルっていうかナナ→ルルっていうか謎(え)。















アゲタラムの咲く庭で〜4〜

「迎えに来たよ、ルルーシュ。」
ルルーシュは目の前に現れた人物に、言葉を無くした。

その日、ルルーシュは一人で留守番をしていた。
ジェレミアとアーニャは畑のほうに行っているし、ロイドとセシルも何か謎の研究(え)の材料調達へ。咲世子は食材の買い物で、C.C.も珍しくいない。
天気も良かったのでだいぶ体調の良くなったルルーシュは庭に出した椅子に座り、気持ちの良い風に吹かれながら読書を楽しんでいた。しばらくすると体調が良くなったとはいえまだ本当に本当に本調子というわけではないルルーシュの身体は眠りを要求してくる。その眠気に抗うことも出来ずに、部屋に戻るのも億劫で、そのまま椅子にもたれかかって眠りに付いてしまった。

しばらくして、一台の車が止まった。中から現れたのは栗色の髪にサングラスをかけた青年。青年は家のチャイムを鳴らすが反応が無い。
「・・・おかしいな。調べだと誰もいないってことは絶対に無いはずなんだけど・・・。」
「でしたら、お庭に回ってみますか?そちらにいらっしゃるかも。」
そう言って青年の後から降りてきたのはミルクブラウンの髪の少女―ナナリー=ヴィ=ブリタニア―
「そうだね。」
振り返ってサングラスをはずすその瞳は綺麗なエメラルド。
「ですね、行きましょう。スザクさん。」
その言葉で二人は裏にある庭のほうへと足を向けた。

そこには予想通り、人がいた。
人―ルルーシュ―は、黒い長い髪を風に任せるままになびかせて、白いワンピースに身を包み、椅子にもたれかかり、安らかな表情で眠っていた。その姿は御伽噺に出てくる姫君のようで。そこだけが一つの絵画のような錯覚を覚えるほど、美しい光景に、二人はしばらく見とれて動くことが出来なかった。
「・・・お兄・・・様・・・?」
その沈黙を破ったのはナナリーの一言だった。ただ呟くように発せられた声に、ルルーシュは即座に反応し、しっかりと眼を見開いて声のしたほうを驚愕の瞳で見つめる。
「・・・ス・・・スザ・・・ナナ・・・リ・・・。」
ガタン
膝の上に置かれていた本が立ち上がった拍子に足元に落ちる。脅えるように、一歩、また一歩と、後ずさるルルーシュをスザクはすばやい動きで近づき腕の中に閉じ込める。

「迎えに来たよ、ルルーシュ。」

耳元で優しく呟かれたその言葉に、アメジストの瞳から、一粒の涙が零れ落ちた。

ここで終わらせていいですか?それとも後日談みたいな感じでもう一話続いたほうがいいですか?
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