...

『人はぁ平等ではぁなぁい！』
本日も大型スクリーンからロールケーキなバッハがふんぞり返って演説している映像が流れている。

そんな中ルルーシュは少々お疲れ気味だった。それは、ルルーシュファンクラブ(本人知らず)の面々からのプレゼント攻撃。そう、今日はルルーシュの誕生日。本人もすっかりさっぱり頭の中から抜け落ちていた(原因は言わずもがな黒の騎士団)そんなイベント。生徒会メンバーとかクラスメイトから位だったらまだいい。咲世子とか、ナナリーからだったら大歓迎(むしろ泣いて喜ぶ)。ただ、それが学校中の生徒(一部教師も混ざっているからたちが悪い)からプレゼント攻撃を仕掛けられたらげっそりともなるさ。むしろならないほうが凄い。尊敬する。
「･･･ルル･･･大丈夫？」
「ん･･･あぁ･･･大丈夫だ。」
講堂に集まり、今日も今日とてどうやったらあんなヘアスタイルできるんだろう。むしろアレを本人はかっこいいと思っているのだろうかと突っ込みを入れてくなる頭のブリタニア皇帝シャルル・ジ・ブリタニアのウザイ演説(爆)を聞き流しつつ(え)ルルーシュの隣に居たシャーリーは顔色の悪いルルーシュに心配そうに声をかければ無理矢理笑っているとしか思えないような表情で返す。
「･･････放課後は生徒会室に避難してたほうがいいかもね･･･。」
「あぁ･･･会長に言ってそうさせてもらうよ･･･。」
そんな会話をしているうちに演説は終盤に入っていたらしい。
『最後にぃ、これはとても重要であるぅ！皆の者ぉ、聞き逃すでなぁい！』
そんな意味深な前置きに何があったんだとざわざわと辺りがざわめく。そして、次に皇帝から発せられた言葉にフリーズした。

『ルルーシュゥ！誕生日おめでとぅぅぅうううう！』
間。

『はぁああああああ！？』

一拍の静寂後大絶叫。そして生徒の視線は未だに青い顔でフリーズ中(プレゼント攻撃の後遺症と皇帝の爆弾発言のダブルパンチ)のルルーシュにいっせいに注がれる。

「･･･ル･･･ルル･･･？大丈『父上！一人だけ勝手にずるいですよ！あ、ルルーシュ！誕生日おめでとう！』

シャーリーが心配そうな表情でルルーシュに声をかけようとした瞬間、皇帝を押しのけて画面に現れたのは第二皇女コーネリア・リ・ブリタニア。超いい笑顔。
『な、父親が一番最初に祝いの言葉を述べて何が悪い！』
『その父親はマリアンヌ様が暗殺された後ルルーシュを日本に送って、あまつさえルルーシュたちが居るって言うのに戦争を仕掛けやがりましたよね？』
次に現れたのは第二皇子シュナイゼル・エル・ブリタニア。こっちも超いい笑顔。ただし、なんか黒いモノのオマケ付き(え)。
『ぐっ！』
『ルルーシューvv今日は一緒にお祝いしましょうvもちろんナナリーも一緒よ！すぐに迎えに行くから待っててくださいね！』
今度は第三皇女ユーフェミア・リ・ブリタニア。
”ルルーシュ”という名前だけで人違いだと思おうとしていた生徒たちも、”ナナリー”まで出てきちゃったらルルーシュ・ランペルージが画面の中の人たちが騒いでいる”ルルーシュ”であると認めざるを得ない。
「ルルーシュ様！」
「･･･ミレイ、すまない･･･ひとまずどこか「ルルーシュ様ぁ～vvお迎えに上がりましたぁ～！」
真っ青な顔で慌てて駆け寄ってきたミレイに何処かに避難すると伝えようとしたそのとき、講堂の扉が壊れそうになるくらいの勢いで開けられた。そこにはミレイの婚約者であるロイド・アスプルンド。その傍らには
「ナ、ナナリー？！」
「はい、お兄様v」
セシルに車椅子を押され、ナナリーがにこにこと微笑んでいる。その光景にルルーシュは絶賛混乱中(え)。
「さ、お兄様。ユフィ異母姉様たちが待ってます。せっかくのお兄様のお誕生日ですもの、盛大にやっていただかないとv」
あ、なんか黒い。
「あー･･･うん、ナナリーがいいっていうなら･･･。」
「ルルーシュ様？！」
ミレイが慌てたように悲鳴を上げるが、当のルルーシュはのほほんとしたもので。
「･･･大丈夫だ。多分。」
最後に小さくなんか聞こえたきたしたけどあえてそれはスルーしておこう。でないと向こうでにこにこと黒いもの背負って微笑んでいるナナリーが怖いから。
「･･･それじゃぁ･･･とりあえず行ってくる。」
「･･････お気をつけて。」
心配そうなミレイや、その他生徒たちの視線を背中に受けて、ルルーシュはナナリーと共に講堂から去った。

後。
「ルルーシュぅ！」
「うわぁぁ！シュナイゼル異母兄上！いきなり抱きつかないでください！」
「シュナイゼル異母兄上！セクハラですよ！」
「「シュナイゼルお異母兄様、呪われたいですか？」」
「ルルーシュぅぅぅう、父の元へは来てくれないのかぁああ？！(泣)。」
心配するまでも無くなんか混沌(と書いてカオスと読む)。

プレゼントはウィンターグラジオラス