ハジマリのうた〜act2〜

部屋に入ってくる女性―壱原侑子―に唖然となりながらも、ルルーシュははっとして目を両手で遮る。
「大丈夫よ。もう貴方の瞳には何の力も無いわ。あたしが”対価”として貰ったから。」
ほら、と目の前に差し出された水晶の中にはあの、ギアスの紅い光。そして手渡された手渡された鏡を覗き込めば、その瞳はあの禍々しい紅ではなく、生来の美しいアメジスト。それに少しほっとしつつも、いまいち状況が飲み込めずにいると、先ほど顔を覗かせた少年―四月一日君尋―がトレーに湯気の立つ紅茶を持って入ってくる。さらに後ろから二人の少女―マルとモロ―も興味津々といった様子で後を着いてくる。
「さて、なんで自分がこんなところにいるのか。状況説明が欲しいってところかしら?」
布団の隣に座り、にっこりと微笑む侑子にルルーシュはぎこちなく頷く。相変わらず突発事項に弱いルルーシュ。もう思考回路はショート寸前といったところだ(笑)。
「とりあえず自己紹介しておきましょうか。私は壱原侑子。偽名だけど。」
偽名かよ!
という突っ込みは話が続かなくなるのでぐっとこらえる。
「それで、こっちの眼鏡君が「眼鏡ってなんすか!」四月一日君尋。覚えなくてもいいわ。「無視っすか!?」
半泣きになりながら「・・・四月一日君尋っす・・・。」と言う四月一日に、苦労してるな・・・とちょっと同情してしまう。後ろでモコナとマル・モロが「四月一日と書いてー”わたぬき”ー!」「「誕生日もー四月一日ー!!」」と歌っている。
「で、その黒いのが「モコナ=モドキ!モコナでいいぞ!」
「さらにこの二人がマルとモロよ。」
「・・・ルルーシュ・・・だ。」
ファミリーネームを言わなかったのはもう自分は皇族であった”ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア”でも、アッシュフォードで過ごした”ルルーシュ・ランペルージ”でもないという想いからか。
「ふふふ、知っているわ。貴方のことは”不老不死の魔女”から耳にたこが出来そうなほど聞いてるもの。貴方が”悪逆皇帝ルルーシュ”と呼ばれていたこともね。」
「な!」
なぜそれを、という言葉は最後まで出てこなかった。この家の雰囲気や話しぶりからして自分の生きていた”世界”ではないことはなんとなくは感じていた。”ギアス”なんてめちゃくちゃな力があったんだ。”異世界”というものがあったっておかしくない。だがさすがに自分のことを侑子が知っているということまでは予測できなかったのだろう。固まるルルーシュに、侑子は微笑む。
「私だって、伊達に”次元の魔女”なんて呼ばれて無いわよ。」
ふふ、と微笑う侑子にルルーシュは「魔女・・・。」と呟く。まぁあの二言目には「ピザが食いたい。」と言っている黄緑色の髪の魔女よりは、目の前の女性のほうがよっぽど魔女と言われて納得できるだろう。・・・本人に言ったら怒られそうだが(苦笑)。
「さて、本題に入りましょうか。」
パン!と手に持っていた扇子をを閉じて表情を引き締める侑子に、ルルーシュの表情も硬くなった。

”魔女”って言われてC.C.と侑子さんどっちが魔女っぽいかって言われたら、侑子さんのほうが闇猫の”魔女”のイメージには近いんですよね。C.C.はどっちかって言うと”妖精”とかのイメージで(しゃべらなければね)←え。

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