コチョウラン―あなたを愛します―中編
「で。何をしに来たんだ?ユフィ。」
それぞれに腰掛け、眉間に皺を寄せながらルルーシュは口を開く。
ユフィはにこにこと嬉しそうだし、C.C.はどうでもいいといった表情だ。
「それはもちろん、あなたに協力するためですわv」
「は?」
にこにこと、しかもさらりと言ってのけるユーフェミアにルルーシュは怪訝な顔をする。現役皇族がテロリストに協力する?本気か?とさらに眉間の皺を深くする。
「私は本気です。私もルルーシュ、あなたに協力したいのです。」
先ほどまでの表情とは一変し、真剣な表情になる。
「・・・協力か。それで君は何ができる?」
「そうですわね。私はナイトメアに乗って戦ったり、ルルーシュのように戦略をめぐらせることはできません。」
「そうだな。」
「ですから、私は資金と・・・情報を提供させていただきますわ。」
さらりと言われた言葉にルルーシュは一瞬大きく目を見開き、そしてすぐに不適な笑みになる。
「それでしたら、私にもお手伝いできます。」
「それで、君に何の利益があるというんだ?」
「見返りなんていりません。私はルルーシュとナナリーが安心して暮らせる世界がほしいだけですわ。」
やはり真剣なまなざしで言うユーフェミアに、ルルーシュは表情をゆがめる。
「何故・・・。」
「あの時、私もお姉さまも何もできなかった。そして七年前、あなたたちが日本に送られ、死亡したと聞かされたとき、絶望しました。でお、遺体は見つからなかった。ならば生きているのではないかと。そう信じて私は一筋の希望にすがってきました。『お飾り』と呼ばれようとも無知を演じ、二人が戻ってきたときは私がテロでも起こして差し上げようかと思っていたのですよ?」
優しく微笑みながらも、その瞳は本気であることを語っている。その力強い言葉にルルーシュの瞳は戸惑いで揺れる。
「ナイトメアの訓練もしたかったんですけど、お母様とお姉様が許してくれませんでしたの。」
過保護過ぎて困ってしまいますわ。と微笑むユーフェミアにルルーシュもつられて微笑む。
「ですから私は私のできることでルルーシュをサポートさせていただきたいのです。優しい世界を作るために。ブリタニアという国を壊すために。」
しっかりと。決意のまなざし。
しばらく考えていると今まで黙っていたC.C.が口を開く。
「いいんじゃないか、ルルーシュ。使えるものは使っておけ。」
「C.C.・・・。」
「そうですわ。その方の言うとおりです。利用できるものは利用してください。私はそのつもりで来たのですから。」
C.C.のどこか棘のある言葉も気にすることなくニコニコと肯定する。
「・・・はぁ。わかった。その申し出、ありがたく受けよう。」
「ありがとうございますvルルーシュ。」