愛に変化球はいらない!

2月14日。バレンタインデー。世間一般では恋する乙女が好きな人にチョコレートと共に愛を伝える日。なんて、まぁどっかのチョコレートメーカーの思惑にまんまとはまってしまった感満載(爆)なイベントだろう。という突っ込みは置いといて。
黒の騎士団はそんなこったお構いなしに今日も今日とてコーネリア率いるブリタニア軍と戦闘中である。

『作戦終了!各自撤退!』
”ゼロ”の声が戦場に響き、今回も黒の騎士団の圧勝で幕を閉じるかと思われたその時、
『待て!ゼロ!!』
『!』
オープンチャンネルで響き渡るのは今回の戦闘では前線には参加していないと思われていたブリタニア第二皇女コーネリア・リ・ブリタニアの声。
『ゼロ!』
『大丈夫だ。既に周辺に敵KMF反応はない。お前達は撤退しろ。』
『でも!』
それでも残ろうとするカレンを無理矢理撤退させると、そこにはコーネリアの乗るKMFとゼロの乗るガヴェインのみ。もっとも、ガヴェインにはC.C.も乗っているのだが。
『何か私に御用ですか、コーネリア皇女殿下。』
そう声を掛けながらルルーシュは頭の中でコーネリアの次の動きを何パターンも予測する。
だが、コーネリアの取った行動はそのどれとも違うものだった。
『ゼロ!!いやルルーシュ!!私からのチョコだ!受け取ってくれ!
『は?!』
今”ルルーシュ”って呼んだよね!?とかここでチョコ?!とかいろいろと突っ込みどころ満載だが、そんなことはお構いなしにコーネリアの乗るKMFが何か巨大なものをこちらに投げてきた。うん。明らかにサイズがおかしい。チョコとか言ったけどあれ普通にサイズがKMF仕様だよね。そのサイズにラッピングされたプレゼントボックスとかある意味不気味だよね!?なんて誰も言っちゃくれない。今さらながらカレンたちを撤退させた自分を恨むルルーシュ。ちなみに箱はちゃんとC.C.がキャッチした。
『あぁ、ちなみに私からだけでなくユフィとギネヴィア異母姉上とカリーヌと何故かオデュッセウス異母兄上とシュナイゼル異母兄上とクロヴィスとついでに(え)父上からの分も入っているからな!』
父上とシュナイゼル異母兄上の分は捨ててもいいからな!と最後にのたまうコーネリア。
そしてこの場にコーネリアの口から出た素晴らしきラインナップな名前の羅列に突っ込んでくれるものはいない。
プレゼントボックスを渡し(むしろ一方的に投げつけて)満足したのか、コーネリアはKMFに乗っていても分かるくらい上機嫌(だってオープンチャンネルで鼻歌が聞こえるんだもん)でその場を去っていった。
そして残されたルルーシュはといえばいろいろと混乱で思考回路が停止している。C.C.はC.C.でそんなルルーシュに爆笑寸前(笑)。
「くくく・・・モテモテだな・・・”ゼロ”?」
「・・・・・・・・・・・・ユフィの奴、ばらしたのか?」
なんとか我に返ったルルーシュが眉間に皺を寄せる。
「あのブラコン皇族'sだったら普通に気付くんじゃないか?」
なんだブラコン皇族'sって。いろいと突っ込みたいけどもうそんな気力もない。

ちょっと(というかかなり)疲れた様子でアジトに戻ればコレでもかと言うくらいのチョコレート関連なお菓子が所狭しと用意されていて。ルルーシュは頭が痛くなった。

―Side Britannia―
「お姉様!ちゃんと渡してくださいました?」
「あぁ、ちゃんと渡してきたよ。」
父上とシュナイゼル異母兄上のは捨てていいぞと言って来たけどな。
とのたまえば、なんか向こうで叫んでるのもいるけど(苦笑)。

なんか、お前ら本当にやる気あんのかと突っ込みを入れたくなる気もしなくもないが。
とりあえず、結局最後に一番苦労するのはルルーシュなのだろう。

―オマケ―
「C.C.・・・俺はどれだけホワイトデーにお返しを用意しなくてはいけないんだろうか・・・。」
「・・・(そんなことを考えていたのかこいつは・・・)。私の分はピザでいいぞ。」
「・・・いつもと同じだろうそれは。というかお前から貰った記憶はないぞ。」
「じゃあ今やる。」
「・・・はぁ。」

混沌・・・!ルルは学園でもチョコレートを大量に貰っているのでいい加減にしろという感じです(苦笑)。
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