ハジマリのうた〜act10〜
「”先手必勝”・・・と思うのですが、どうしましょうか?」
「あぁ、いいですね。僕もつれていってください。」
大事な大事なアメジストを守護する騎士は微笑む。アメジストから光を奪う愚か者へ己の愚かさを突きつけるために立ち上がる。
卜部たちは困惑していた。自分達や”ゼロ”基”ルルーシュ”もいるのだ。他にも誰かいてもおかしくないと思っていたが、さすがに目の前にいる人物は予想外だ。
「こうやって直接お目にかかるのは初めてですね。元四聖剣のお三方。」
目の前の人物、ユーフェミアと、ロロと名乗る少年の笑みに卜部たちは表情を固くする。その笑みは自分達が知る”お飾り”と呼ばれていた頃とは全く違う決意と、そして強い意志をたたえたもの。
「・・・”虐殺皇女”が何の用ですか。」
「あぁ、そんな風にも呼ばれていたみたいですね。」
それがどうしたというような答え方に朝比奈は激昂する。
「みたいですね?お前のせいで日本人はたくさん死んだ!!なのに!」
「落ち着け朝比奈。」
今にもユーフェミアに殴りかかりそうな朝比奈を卜部が抑え、ユーフェミアの前にはロロが立つ。
「大丈夫ですよ、ロロ。それに、私のせいだというのは事実ですから。」
「でもあれは事故だった。兄さんだって、そんなことを望んではいなかった!」
ユーフェミアとロロの会話についていけない三人は困惑し、朝比奈は卜部に抑えられたままイライラと二人を睨みつける。その視線に気付いたユーフェミアとロロは三人に向かい、真剣なまなざしを向ける。
「・・・そうやってあなたは、きちんと真実を見ようとしないのですね。」
「こういう奴らばっかだったから兄さんは本当に苦しんだ。」
「あなた方、黒の騎士団が、いえ、お姉さまたちもですが、”ゼロ”の、ルルーシュお異母兄様の苦しみに、悲しみに少しでも気付いて差し上げられたら、あんなにも苦しまなくて済んだかもしれませんわね。」
”ゼロ”と”ルルーシュお異母兄様”という言葉に三人は反応する。
「・・・”ゼロ”の、何を知っているって言うんだ。」
「あなたこそ、お異母兄様の何を知っているというのですか?」
ユーフェミアとロロの射るような視線に少したじろぐ。
「お異母兄様は一人で苦しんでいました。」
「兄さんは一人で全て背負っていた。」
「悲しみも苦しみも、全てその身に背負いこんで。」
「兄さんは一人で泣いていたんだ。誰にも気付かれないように、一人で。」
その辛さが、あなたに分かりますか?
歌うように二人の口から紡がれる言葉に唖然とする。
「兄さんがいなかったら黒の騎士団なんてあそこまで大きくなることなんて無かった。それどころか、ちっぽけなテロリスト集団で終わってた。いや、ブリタニア軍に対抗するなんて、出来るわけがなかったんだ。」
あなた達の大事な藤堂鏡志郎も、助け出すことなんて、出来なかったでしょうね。
ロロがそう言えば、否定など出来ないのだろう。渋い顔をする。
「それに加えてあなた方のいなくなった黒の騎士団はお異母兄様を裏切った。今まで騎士団を指揮し、ブリタニア軍を、その頭脳と戦略で退けてきた、お異母兄様を。シュナイゼルお異母兄様とコーネリアお姉様の”ゼロ”を陥れるための言葉を鵜呑みにして。」
愚かなものですね。
ユーフェミアはあきれたように、ふっと溜息をつく。
「本当、自分達じゃ何も出来ないくせに、兄さんの手柄は自分達のもの。自分達の失敗は兄さん一人に押し付ける。あんな中で本当に兄さんは苦労したよね。」
ロロもあきれたように言い、やはりその視線は朝比奈に向かっていて。その朝比奈はというと反論できないのか無言で俯く。
「あなたのことですからお異母兄様の居場所でも探し出して文句と罵声の嵐でも浴びせてやろうかとか思っていらっしゃったのでしょうが、」
ユーフェミアはそこで笑みを消す。
「お異母兄様を傷つけるというのなら、私もロロも、クロヴィスお異母兄様もシャーリーさんも黙っては降りませんから、覚悟してくださいね?」
最後ににっこりといつもの微笑を浮かべ、ロロと共にルルーシュの待つ侑子の家へ。
「・・・これで、少しは自分の愚かさを思い知ってくださればいいですね。」
「これで反省しなかったら本物の馬鹿ですよ。」
まぁ、そうなったらそうなったで次はどんな手で自分の愚かさを突きつけて差し上げましょう?
そんなことを言いながら二人は大事な大事なアメジストの元へと急ぐ。
黒い子コンビ・・・!ユフィとロロが揃うといろいろと最強です。ここにナナリーでも加わっちゃった日にゃもう最キョウどころではなくなる勢いで・・・!
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