護るために 後編

プチッとどこに持っていたのか携帯電話を切るとにこっとスザクに微笑む。
「ナ・・・ナナリー・・・?」
「ふふ。スザクさん。今までありがとうございました。」
「え?」
一瞬、何を言われたのかわからないスザクは間抜けな声を出す。
「ですからスザクさん、あなたはもういりません。」
「ナナ・・・」
「知っているんです。あながゼロを売って、ラウンズになったこと。そして気付きました。ゼロが・・・お兄様だということ。スザクさん、あなたは私にウソをついていたのですね。」
「そ!それは!」
言い当てられた事実を否定することも出来ず、無様に慌てるスザクにも、ナナリーは残酷に微笑みかけ、閉ざされていた瞳を開く。その瞳には決意の光。
「ふふ、いいのですよ。今まで私もユフィ異母姉様と同じように無知でした。お兄様が私のためにしていることを知らず、知ろうとせず、瞳を閉じてきました。でもこれからは・・・私がお兄様をお護りします。スザクさん、あなたはもう要りません。」
ナナリーに決別を言い渡されたスザクは死刑を言い渡された罪人のように蒼白になっている。
「スザクさん、もう私たち兄妹に、あなたは要りません。もう私たちの前に姿を表さないで下さい。あなたがいると、お兄様が苦しみます。」
止めの一発。スザクはもうコレ異常ないくらいショックを受けた表情で一歩、二歩と後ずさる。
「ナナリー様。」
「おかえりなさい、ジノさん、アーニャさん。お兄様は?」
ルルーシュをつれて戻ってきたジノとアーニャに優しく微笑みかけ、ジノにお姫様抱っこされているルルーシュを見る。
「コクピットの中で頭ぶつけて気ぃ失ってるだけですよ。」
その言葉にウソは無い様で、ルルーシュは本当に気を失っているだけらしい。
「ル・・・ルル・・・」
「駄目、スザク。」
「そうだよー。お前がいるとルルーシュ様が傷つく。お前はルルーシュ様とナナリー様の『世界』には要らないんだよ。」
ふらふらとルルーシュに近づこうとするスザクを同じラウンズのアーニャとジノが牽制する。
「ルルーシュ様、そろそろ起きてください、ルルーシュ様。」
「ナ・・・ナナリー。」
目を覚ましたルルーシュはジノに下ろしてもらうとフラフラとナナリーの前に膝をつく。
「目が・・・。」
「ええ。もう、護られてばかりの私ではありません。今度は、私がお兄様をお護りします。」
にっこりと、優しく微笑む(ルルーシュ限定)ナナリーにルルーシュは涙を流して抱きしめる。
『あ、それでは皆様、これで私の挨拶を終わりにします。さぁ、行きましょうお兄様。』
『あぁ。』
『あ、俺も!ルルーシュ様とおしゃべりしたい!』
『私も・・・。』
『いいですけど・・・その前にそこでキノコを生やしてるウザイ人を再起不能になるまでボコボコにしてからいらしてください。』
『『イエス・ユア・ハイネス!!』』

と、こんなぐだぐだ就任挨拶放送された次の日。
ナナリー、ルルーシュ、ジノ、アーニャの四人が楽しそうにお茶をしている姿と、部屋(というか政庁)に入れてもらえずキノコを生やしているスザクの姿が目撃されたとか。

え?最後結局ギャグ?(苦笑)。
ナナリーのゼロ否定にショックを受けたのでこういう公式の場でルルーシュに呼びかけちゃうのも面白いかと思って自分の好みで捏造しまくり(爆)。
← 戻る