オモウコト〜サクラ〜

ナルトはキレイだと思う。

「ナールトーvv」
「五月蝿い。退け。変態!」
ドカ
「ふ。ナルトにふさわしいのはこの俺だ!」
「てめぇもウゼェんだよ。離れやがれ!」
バコ

今日もカカシ先生とサスケ君がナルトに迫ってる。
いつも通り返り討ちにされてるけどね。さっさと任務(草むしり)終わらせたいんだけどなー。
あたし、春野サクラは今日もため息をつきつつ任務という名の雑用を黙々とこなす。
「ったく・・・さっさとやれっての。」
もくもくと草むしりを続けているとナルトが隣にやってきた。
・・・カカシ先生とサスケ君ぼろぼろじゃない。
「わりぃな。サクラ。一人でやらせてて。」
「うんん。いいわよ。それにしても大変ねー。」
「・・・まじめにいい加減にして欲しいぜ。」
困ったように笑うナルトもキレイだわ。
そう思いながらあたしは草をむしる。
ナルトがやり始めてからはものすごくスピードがアップ。お昼過ぎには終わりそうだった。

あたしは思う。
―ナルトはキレイだと思う―
最初のころはただの馬鹿だと思ってた。
初めて会ったのはアカデミーのころかな?
いたずらばっかりしてイルカ先生に怒られて成績もドベで。
何のとりえもないただの馬鹿。それがあたしの印象だった。
でもその後、あたしは”本当”のナルトを知った。
同時に12年前の悲劇と里の大人たちのナルトへの扱いの意味を知った。涙が出た。
ナルトは笑ってた。キレイにキレイに―笑ってた―
それからあたしの中でのナルトの印象は変わった。
ナルトがとても―キレイに見えるようになった―

日の光に反射してキラキラ光る金色の髪。
晴天の空のようなきれいな青い瞳。
そして・・・時折見せる愁いを帯びた笑み。
急にどこかへ消えてしまいそうで。不安になる。

「おい。どうした?サクラ?」
「え?」
気が付くとナルトがあたしの顔を覗き込んでいた。
「え?え?」
「どうしたんだよ。終わったぜ。草むしり。」
辺りを見回すと本当に終わったらしく、カカシ先生やサスケ君がこちらを見ている。
「あ!やだ!ゴメン!」
あたしも慌てて立ち上がる。
「いいって。あの馬鹿どもにやらせときゃ。」
ナルトはそういってあたしの手をとってたたせてくれる。
「さ。帰ろうぜ。」
太陽のようにキレイな笑顔。
ナルトはこんな笑顔、普段は見せてくれない。あたしたちしかいないときしか見せてくれない。
ナルト曰く。「特別」だそうだ。
あたしたちはナルトの「特別」に入れてもらっているらしい。嬉しいな。
里の大人たちは”本当”のナルトを知らない。
だから今もナルトを迫害し続けている。
いくらそれが影分身だからといって見ているほうはあまりいい気分ではない。

「何やってんだサクラ。行くぞー!!」
「あ!うん!」
いつか本当にナルトがどこかに行ってしまいそうで。
今のあたしにナルトを守れる力はない。それでもナルトを守りたい。
今は守られてるばかりだけど。いつか本当にナルトを守れるように。
「絶対強くなるんだから!」
あのキレイな光を守るために。
fin

サクラちゃんのスタンスはこんなんだといい。
サクラちゃん好きです。強い女の子は大好きです。
悩んで悩んで悩んだ挙句「よし!」って立ち上がってくれる女の子は大好き。
そのままへたれてる子は謹んでお断りさせていただきたいです。
サクラちゃんには頑張ってほしいです。
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